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ビジネスジェット機の顧客専用、ポルシェ 911 に限定仕様

  • 《photo by Porsche》
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ポルシェは11月5日、新型『911ターボS』(Porsche 911 Turbo S)をベースにした限定車の「デュエット」を発表した。エンブラエル社のビジネスジェット機、『フェノム300E』にも同仕様のデュエットが設定され、同機を購入した顧客専用に10台を限定生産する。

◆最高飛行速度988km/hのビジネスジェット機

エンブラエル社は、ブラジルに本社を置くグローバルな航空宇宙企業だ。同社は、航空機とそのシステムの設計、開発、製造、販売を行っており、アフターサービスも手がけている。

エンブラエル社のフェノム300Eは、過去10年間で最も成功したビジネスジェット機のひとつだ。最高飛行速度は988km/hに達し、航続は最大3723km。最大10人が快適に移動し、機内でリラックスした時間を過ごすことができる。

ポルシェは今回、エンブラエル社と協力し、新型911ターボSをベースにした限定車のデュエットを発表した。ドイツ・ヴァイサッハにあるポルシェのデザイン部門の「スタイルポルシェ」や、ドイツ・シュトゥットガルトにある「ポルシェエクスクルーシブマニュファクトゥール」が主体となり、新型911ターボSにフェノム300Eのモチーフを反映させた特別なカスタマイズを施している。

◆ポルシェ初の2種類の光沢を組み合わせたツートン塗装

エクステリアは、ポルシェとしては初めて、光沢とサテン光沢の塗装を組み合わせたツートンとした。車体上側を光沢プラチナシルバーメタリック、車体下側をサテン光沢のマットジェットグレーメタリックで塗装した。塗装仕上げは、すべて手作業で行われる。ブリリアントクロームとスピードブルーのトリムストリップも採用された。デュエットのロゴも特別にデザインされ、新型911ターボSの内外装に配された。

専用デザインのアルミホイールは、プラチナシルバーメタリックで塗装され、リム部分にはスピードブルーのラインが添えられた。サイドエアインテークとサイドウィンドウトリムは、ジェット機のデザインの特長を取り入れ、ブリリアントクロームで塗装された。LEDドアプロジェクターは、専用のロゴを地面に投影する。Bピラーには、特別なエンブレムが装着された。

リアウイングには、機体識別番号を入れることができる。例えば、機体と同じ「N911EJ」の文字を添えることが可能だ。

◆ビジネスジェットがモチーフのインテリア

インテリアには、ブラックとホワイトカラーのレザーを使用した。ブラックレザーの表面には、スピードブルーのステッチ加工が施された。ステアリングホイールは、ツートンカラーのレザー仕上げで、12時の位置にはスピードブルーのマーキングが記される。「カーボンインテリアパッケージ」が標準装備された。ルーフライナーはホワイトのアルカンターラ仕上げとしている。

フロントシートの背面は、光沢カーボン仕上げとした。ヘッドレストには専用のロゴがエンボス加工された。前席の背もたれを前方に倒すノブは、ビジネスジェット機の座席をモチーフに赤で仕上げた。

ドアシルトリムは、ジェット機のように、「NO STEP」の文字が赤く光る。「スポーツクロノパッケージ」のストップウォッチも、ジェット機がモチーフだ。助手席側のダッシュパネルトリムには、「One of 10」のロゴが添えられる。フロントラゲッジコンパートメントは、ブラックレザー仕上げで、スピードブルーのコントラストステッチが入る。キーはスピードブルーで塗装された。

◆0~100km/h加速2.7秒で最高速330km/h

新型911ターボS には、3.8リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンを、2つのVTG(可変タービンジオメトリー)ターボで過給した新ユニットを搭載する。再設計された給気冷却システム、電動調整可能なウエストゲートフラップを備えた対称レイアウトの新しい大型VTGターボチャージャー、応答性や出力、トルク特性、エミッション挙動、吹け上がり性能に関する車両の特性を大幅に改善するピエゾインジェクターが採用されている。

この新しい6気筒エンジンは、新設計のエアインテークシステムによって吸気される。そのために、処理空気と給気冷却の経路が、入れ替えられている。処理された空気の一部は、リアサイドセクションの特長的なターボエアインテークを通って流れる。リアフェンダーに備わるエアフィルターの前方にも、リアリッドグリルを通る2つの別のエアフローが組み込まれた。

全体の断面積が大きく空気抵抗の小さな4つのエアアインテークを備えており、エンジンの効率を向上させる。可変タービンジオメトリーを備えて対称に配置された2つの大型ターボチャージャーが、従来型のパーツに代わり、コンプレッサーとタービンホイールは反対方向に回転する。タービンホイールの直径はプラス5mmの55mmに、コンプレッサーホイールの直径はプラス3mmの61mmに、拡大された。ウエストゲートフラップは、ステッピングモーターによって電気的に制御される。

これらの新技術の結果、最大出力は従来型を70ps上回り、650psを獲得した。最大トルクは5.1kgmプラスの81.6kgmを引き出す。強化された4WDシステムの「ポルシェ・トラクション・マネジメント(PTM)」によって、最大で51kgmのトルクがフロントホイールに伝達される。標準装備の新世代「PASM」シャシーも、さらにスポーティに改良された。ポルシェによると新型では、より迅速かつ精確に制御されるダンパーが、ロール安定性、ロードホールディング、ステアリング挙動、コーナリングスピードのダイナミクスに大きなメリットをもたらすという。

トランスミッションは、ターボ専用の8速「PDK」(ポルシェ ドッペルクップルング)。0~100km/h加速は、従来型を0.2秒短縮する2.7秒で駆け抜け、最高速は330km/hに到達する。0~200km/h加速は、従来型を1秒短縮する8.9秒としている。