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キャデラックのスポーツセダン、第4世代の「マグネティック・ライドコントロール」を搭載…米2021年型
キャデラック(Cadillac)は10月15日、第4世代の「マグネティック・ライドコントロール」を、高性能スポーツセダンの『CT4-V』と『CT5-V』の米国向け2021年モデルに搭載すると発表した。
◆キャデラック独自の磁性流体を使ったダンパー
マグネティック・ライドコントロールは、キャデラック独自の磁性流体を使ったダンパーだ。現行の第3世代のマグネティック・ライドコントロールは、例えば『CTS-V』の場合、ツアー、スポーツ、トラック(サーキット走行)、スノー/アイスの4つのドライバーモード・コントロールにより、関連するファクターをコントロールし、ドライビング状況に合わせて最適化を行う。
マグネティック・ライドコントロールは、1000分の1秒単位で路面状態を読み取り、磁性流体で満たされたダンパーにデータを送る。4つのダンパー全てのダンピング特性を、個別に制御することが可能だ。第3世代では、ダンピングレスポンスが40%速くなった。第3世代のマグネティック・ライドコントロール・システムは、96km/h走行時に、路面25mmごとに最適なダンピングフォースを計算する。
◆現行の第3世代に対してダンピングレスポンスは最大45%高速化
これに対して、第4世代のマグネティック・ライドコントロールでは、現行の第3世代よりも、ダンピングレスポンスが最大45%速くなっているのが特長だ。
新しいホイールハブ加速度計と慣性測定ユニットは、第3世代の4倍の速さで道路状況の変化を処理し、よりスムーズで自然な減衰を可能にする。慣性測定ユニットは、車体の動きをより正確に測定し、激しいブレーキングやハードなコーナリング、その他の運転条件において、より正確な測定値を提供する。
新しい磁性流体制御により、ダンパーのリバウンドと圧縮の動きを最適化した。車体の動きを感知し、制御するシステムの機能が向上している。ハードウェアとソフトウェアのアップグレードにより、一時的なボディコントロールが改善され、連続したコーナリングでも、車両がより水平に保たれるようになった。ダンパー内の摩擦も減らし、全体的なダンピングをスムーズにしているという。
◆キャデラックの小型&中型スポーツセダンに採用
キャデラックの小型セダン、『CT4』の高性能モデルのCT4-Vのパワートレインには、直噴2.7リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。このエンジンンには、「3ステップスライディングカムシャフト」を採用し、あらゆる速度域でパフォーマンスを追求する。スペックは、最大出力が325hp、最大トルクが52.5kgmとなる。キャデラックはこのエンジンを、「トルクモンスター」と呼ぶ。
このエンジンには、「デュアルボリュートターボチャージャー」を採用した。これにより、ターボチャージャーとエンジンの両方に高い効率をもたらし、低回転域でも優れたブーストを生み出すという。
「ボリュート」は、ターボチャージャーによって排気を循環させてタービンを駆動するスパイラルチャンバーだ。デュアルボリュートエンジンは、2つのチャンバーが互いに積み重なっているのが特長。タービンの両側に空気を送り、より速くより効率的に回転させる。各チャンバーは、エンジンのシリンダーヘッドに直接取り付けられた排気マニホールドに組み込まれており、熱を回収してエンジンとトランスミッションの暖機を早め、ターボのレスポンスを引き上げる。キャデラックによると、3ステップスライディングカムシャフトとデュアルボリュートターボチャージャーの採用は、どちらもセグメント初という。
キャデラックの中型セダン、『CT5』の高性能モデルがCT5-Vだ。CT5-Vのパワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで、最大出力355hp/5600rpm、最大トルク55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。
このエンジンには、気筒休止システムを採用する。駆動方式は後輪駆動と4WDが選択可能で、トランスミッションは10速ATを組み合わせた。また、カスタマイズが可能な「Vモード」を備えた車両コントロールモード、電子制御LSDを搭載する。アルミホイールは19インチで、パフォーマンスタイヤを組み合わせる。4WDモデルは、オールシーズンタイヤを装着することも可能だ。