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フェラーリ、最新ワンオフ『オモロガータ』発表…800馬力のV12搭載
フェラーリは9月25日、ワンオフモデルの『オモロガータ』(Ferrari Omologata)をイタリア本国で発表した。
オモロガータは、『812スーパーファスト』がベースだ。欧州在住の顧客に依頼され、フェラーリが手がけたワンオフモデルの最新作となる。GTレーシングに関するフェラーリの価値観を、強烈に思い起こさせる1台を目指したという。
◆フェラーリとしては10台目となるフロントエンジンV12のワンオフ
フラヴィオ・マンツォーニ率いるデザインチームにとって、ワンオフモデルの開発で常に大きな課題となっているのは、フェラーリの使い勝手と扱いやすさを損なうことなく、公道でのホモロゲーション(認証)のための安全上の制約を満たすことだ。ベース車両のプラットフォームを使う場合は、なおさらだという。
実際、2009年の『P540スーパーファスト・アペルタ』以来、フェラーリが生み出してきた10台目となるフロントエンジンのV12ワンオフモデルの開発作業でキーワードとなったのは、「ホモロゲーション取得済み」を意味する「オモロガータ」という言葉だった。
世界中のフェラーリのショールームに置いても、すぐに見つけられるような特注モデルとなるように、デザイナーは顧客から出された明確な指示を超え、車のあらゆるディテールに至るまで、多くの要素を効果的に散りばめたという。
◆ベース車から流用された車体パーツはフロントウインドウとヘッドライトのみ
このプロジェクトは、最初のスケッチの提示から完成まで、およそ2年を要した。出発点となったのは、レーシングの伝統からSFや現代建築まで、さまざまなインスピレーションによるイメージだった。最初のアイデアは、時代を超えたシェイプを生み出せるよう、独特な要素に新鮮な解釈を加えた未来的なデザインを作ることだったという。
これを実現するために、フェラーリのデザイナーは、812スーパーファストの基本的なパッケージから、フロントウインドウとヘッドライトだけを既存のボディの要素としてそのまま使用した。オモロガータの目標となったのは、フロントミッドシップレイアウトのプロポーションを生かし、滑らかな立体感を特長とする流線形のデザインを生み出すこと。さらに、エアロダイナミクスを追求しながら、鋭い形状よってデザインを高めることも目標に掲げられた。
デザイナーは、車両のスタンスと姿勢をあらゆる角度から研究し、フラットになった楕円形グリルを出発点として、徐々に広がるフロントのボリューム感を決定した。フロントのホイールアーチの上で丸くなったセクションは、ボンネットを包み込むストライプによって強調され、グリルから自然に押し出されたように見せるようにしたという。
ドアの後方では、力強い膨らみがすっきりと上方のリアスリークォーターパネルに溶け込んでおり、リアのクォーターウインドウを取り払ったことで、リア全体のボリュームが増している。ファストバックからせり上がるようなリアスポイラーは、ダウンフォースだけではなくアグレッシブ性も高めるものだ。シングルのテールランプは、狭くレイアウトされている。
◆車体色には燃えるような3層のロッソマグマを専用開発
ハンドクラフトによるアルミ製ボディのボディカラーには、このモデル専用に新しい色調のレッドが開発された。燃えるような3層の「ロッソマグマ」が、暗いカーボンファイバー仕上げに組み合わされている。
室内はブラックを基調とした。エレクトリックブルーのシートは、レザーと「Jeans Aunde」と呼ばれるファブリックを組み合わせたもので、4点式シートベルトが備わる。リアのクォーターウインドウとサンシェードを意図的に取り払うことで、旧き良き時代を思い起こさせるキャビンの雰囲気とした。
ダッシュボードとステアリングホイールの金属製パーツは、1950~1960年代のGTレーサーやフェラーリのエンジンカムカバーと関連のある、ひび焼き塗装効果で仕上げられた。インナードアハンドルやエンブレムなどには、『250LM』 や『250GTO』などに見られるハンマー塗装効果が用いられている。
◆0~100km/h加速は2.9秒で最高速は340km/h以上
オモロガータには、812スーパーファストと同じく、6.5リットルのV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンを、フロントミッドシップに搭載する。最大出力は800ps/8500rpm、最大トルクは73.2kgm/7000rpmを引き出す。0~100km/h加速は2.9秒、最高速は340km/h以上と、世界屈指の性能を備えている。