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キャデラックに高性能な「ブラックウィング」、CT4-V と CT5-V に…2021年夏米国発売
キャデラック(Cadillac)は8月20日、最新「Vシリーズ」の『CT4-V』、『CT5-V』のさらなる高性能モデルとして開発中の「ブラックウィング」に、「パフォーマンス・ステアリングホイール」を採用すると発表した。
Vシリーズは、「キャデラックレーシング」の血統を受け継ぐスーパースポーツセダンだ。モータースポーツに参戦しているキャデラックは、FIA(国際自動車連盟)のGT3クラスを主戦場とし、2004年からの11年間に5度のマニュファクチャラーチャンピオンシップを獲得している。
そんなキャデラックレーシングの技術と、歴戦の中で培ってきたノウハウを注いで開発されたのが、Vシリーズだ。世界中のライバルを凌駕するパワーと運動性能、研ぎ澄まされたデザインとテクノロジーなどを追求している。Vシリーズは2004年、米国で発表された。2009年の第2世代から、日本国内にも導入されている。このVシリーズの最新作として、2019年春に米国で発表されたのが、CT4-VとCT5-Vだ。
◆ベース車両の320hpと355hpを上回るパワー
CT4-Vは、キャデラックの新型スポーツセダン『CT4』の高性能バージョンだ。CT4-Vのパワートレインには、直噴2.7リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。このエンジンには、独自の3ステップスライディングカムシャフトを採用し、あらゆる速度域でパフォーマンスを発揮する。スペックは、最大出力が320hp/5600rpm、最大トルクが51kgm/1800rpmとなる。
一方、キャデラックの新ミドルセダン、『CT5』の高性能グレードとして設定されたのが、CT5-Vだ。CT5-Vのパワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで、最大出力は355hp/5600rpm、最大トルクは55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。
キャデラックは、このCT4-VとCT5-Vのさらなる高性能モデルとして、『CT4-Vブラックウィング』と『CT5-Vブラックウィング』を開発中だ。キャデラックによると、ブランドのパフォーマンスとドライバーエンゲージメントの頂点を表しているという。
Vシリーズのブラックウィングモデルは、特別に強化されたシャシーや車両制御技術、エンジンを備えている。エンジンのパワーは、CT4-Vの320hp、CT5-Vの355hpを上回ることになる。各モデルには、マニュアルトランスミッションも用意される予定だ。マニュアルトランスミッションは、ほとんどのプレミアムブランドが設定しなくなった装備だが、多くのパフォーマンスドライビングファンからの強い要望を受けて、ブラックウィングに設定する。
◆史上最もサーキットに対応できるキャデラック
CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは現在、テストコースと全米の公道でテスト走行を行っている。 キャデラックによると、バージニアインターナショナルレースウェイでは、両車のラップタイムが従来型の『ATS-V』(最大出力470hp)と『CTS-V』(最大出力649hp)よりも、数秒速いという。
キャデラックは、ブラックウィングの名称を、最高のキャデラックパフォーマンスエンジニアリング、職人技、テクノロジーを搭載した車両に冠する。CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは、究極のパフォーマンスドライビングエクスペリエンスを持ち、ブランドの歴史に基づいて開発される。キャデラック史上、最もサーキットに対応できるキャデラックを生み出すことで、キャデラックの究極のパフォーマンスと職人技を象徴することを狙うという。
◆新開発のパフォーマンス・ステアリングホイール
キャデラックは、CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングに、新開発のパフォーマンス・ステアリングホイールを採用する。このステアリングホイールは、レザーとカットソーによる縫製、12時の位置の赤いレーシングストライプ、カーボンファイバートリム、Vシリーズのエンブレムなどが特長だ。キャデラックのモータースポーツにおける栄光の歴史を、確実に反映したデザインという。
また、キャデラック独自の「Vモード」と「パフォーマンス・トラクション・マネジメントシステム」は、ステアリングホイールの左右のスイッチ操作で、アクセスできるようにした。
第4世代のVシリーズは、デザイン、テクノロジー、ドライビングダイナミクスを、さらに高めることを目指した。その上に位置するブラックウィングは、ブランドのモータースポーツの伝統に、ラグジュアリーさと快適さを組み合わせるという。
なお、CT4-VブラックウィングとCT5-Vブラックウィングは2021年夏、米国で発売される予定だ。