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【スバル レヴォーグ 新型】ツーリングワゴンの未来形、VIZIVツアラーを量産型に…エクステリアデザイン

  • 《写真提供 SUBARU》
  • 《写真撮影 中野英幸》
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新型スバル『レヴォーグ』のスタイリングは、スバルの新しいデザインコンセプト「BOLDER」に基づいている。これまで掲げてきた「Dynamic×Solid」の進化形であり、ブランドとしての価値だけでなく、それぞれの車種が持つ個性を大胆に際立たせるという思いを込めているという。

しかし新型は、単に旧型をBOLDERというキーワードでリデザインしたわけではないことを、デザインを担当した中村真一氏(商品企画本部 デザイン部 主査)から教えられた。「2018年のジュネーブモーターショーに出展したコンセプトカー、『VIZIVツアラーコンセプト』がルーツです。ツーリングワゴンの未来形というコンセプトでしたが、提案した以上それを量産すべきという意見が出てきて、新型レヴォーグとして仕上げていくことになりました」。

VIZIVツアラーコンセプトは量産を前提とした形ではない。そのため多くの苦労もあったそうだが、コンセプトカーで打ち出した明確なメッセージをなるべく弱めないよう心がけたという。

◆批評を元にスマートに仕上げたエアインテーク

まず目に入るのは彫りの深いフロントマスクで、ヘキサゴングリルをしっかり見せるべく、ここからボディサイドやキャビンを経てリアまで線が伸びていくような造形とした。

ヘッドランプはかなり小さくなった。LEDを使えば小型化が可能であり、むしろ大きいランプは古く見えてしまうという判断によるものだ。特にレヴォーグはスポーティな車種なので精悍なイメージも込めたという。

エンジンフードのインテークは継承した。スバルは機能を大事にするブランドであり、インタークーラーの冷却には必然だったからだ。ただし賛否両論があったことは作り手にも届いていたので、両側のフードを持ち上げることで、開口部はそのままにスマートに見えるよう仕立てたとのことだ。

◆強調されたボディサイドのウェッジシェイプ

ボディサイドはウェッジシェイプが強まった。ドアのあたりで跳ね上がってリアに伸びていくキャラクターライン、後端で跳ね上がったサイドウィンドーが効いている。レヴォーグのスポーティなイメージをアピールすべく強く張り出したフェンダーも、前傾姿勢を反映すべく前下がりの台形としている。

このあたりもVIZIVツアラーコンセプトと共通するが、ブリスターフェンダーの張り出しは控えめだ。これは全幅を1.8m未満に収めたため。日本専用車種として生まれたレヴォーグとしては当然の判断だろう。実際の数字は15mm拡大しているが、ドアミラー先端間は同一に収めているという。

サイドウインドー上端がリアに行くほどスロープしていて、クーペっぽさを強調していることも目立つ。しかしワゴンということでルーフラインはそれほど丸めていないとのこと。サイドウインドーの上に入れたプレスラインで、クーペ的なフォルムを強調していることが理解できる。

旧型のオーナーであればもうひとつ、サイドウィンドーのモールの違いにも気づくだろう。「旧型はリアドアの後端で終わっていましたが、いろいろな意見をいただきました。そこで新型では伸ばすことにしました。ウェッジシェイプを強調できるからという理由もあります。ただし後端で回り込ませて上まで伸ばすとリアが持ち上がっているように見えてしまうし、全周に回すのはスポーティさが薄れると思ったので、この位置で留めました」。

◆スバルらしさが垣間見える視野へのこだわり

リアはやはりLED化したコンビランプを薄く仕立て、モダンな感じを出すとともに、バンパー両端のせり上げを止めることでリアフェンダーのワイド感を後ろ姿に反映したとのこと。たしかに旧型と見比べると、全幅はあまり変わらないのに幅広くなったように見える。

しかもリアゲートの開口部は幅が1025mmから1055mm、高さは697mmから701mmへと、ともに旧型より拡大している。ワゴンとしての機能もしっかり押さえていることがわかる。

ちなみにこのリアゲート、ハンズフリー電動開閉式としたのでモーターを入れる必要が生じ、ガラス面積の確保には苦労したとのこと。それサイドウインドーを含め、運転席から見る水平方向では狭くはしていないという。視界へのこだわりを忘れないところがスバルらしい。