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西新宿と東池袋で自動運転の実証実験へ 東京都支援のプロジェクト

  • 《写真提供 日本工営》
  • 《写真AC》
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東京都は、自動運転技術の実用化のために、ビジネスモデルプロジェクトを支援している。2020年度の支援プロジェクト2件を選定し、13日に発表した。今年度は西新宿と東池袋で自動運転プロジェクトを行なう。

東京都では、自動運転技術が東京都の抱える社会的課題を解決できる可能性を持つ、とする。自動運転技術の実用化を加速させるため、自動運転事業者や交通事業者などによる自動運転技術と、それ以外の先端的なICT技術とを組み合わせた、ビジネスモデルプロジェクトを東京都は支援している。

プロジェクトは「ハイレベル部門」と「早期実用化部門」があり、ハイレベル部門は、従来の実証と比較して、先端的なICT技術を積極的に利活用し、自動運転技術やビジネスモデル等の面でハイレベルな内容であるプロジェクト。いっぽう早期実用化部門は、早期の実用化(おおむね3年以内)が期待できるプロジェクトだ。

選定されたプロジェクトは、プロジェクト1:ハイレベル部門が「5Gを活用した自動運転タクシーの事業化に向けた運行管理実証」で、プロジェクト実施者はMobilityTechnologies、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI株式会社、アイサンテクノロジーからなる企業グループ。プロジェクト2:早期実用化部門は「地域の公共交通・サービスと連携した自動運転の実用化」で、WILLERがプロジェクト実施者だ。

事業の流れは、東京都が委託した事業プロモーター(日本工営)がビジネスモデルプロジェクトを公募し、外部有識者らによる審査により取組を選定した。各プロジェクトの実証実験は、それぞれ2週間程度実施されるという。

選定プロジェクト
プロジェクト1:ハイレベル部門
●テーマ:5Gを活用した自動運転タクシーの事業化に向けた運行管理実証
●プロジェクト実施者:MobilityTechnologies、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI株式会社、アイサンテクノロジー
●実施予定箇所:西新宿エリア

プロジェクトの課題は、地域交通網の弱体化や、タクシー業界が抱える担い手不足などの社会課題。これらに対し、5G通信技術などの先端技術と、人流の多い西新宿のフィールドを活用し、自動運転タクシーの事業化による解決をめざす。実証試験では、4G/5G混在エリアでの連続車両運行や、1人で複数車両を監視する遠隔管制、専用モバイルアプリからのオンデマンド配車(即時配車)を実施する。

実験車両はトヨタの『JPN TAXI』がベース車両。歩車分離された道路環境での車線変更や交差点右左折、停止などを、すべてシステムが自動で操作する(緊急時のみドライバーが介入)。

選定プロジェクト
プロジェクト2:早期実用化部門
●テーマ:地域の公共交通・サービスと連携した自動運転の実用化
●プロジェクト実施者:WILLER
●実施予定箇所:東池袋エリア。としまみどりの防災公園(愛称:IKE・SUNPARK)、サンシャインシティ周辺

プロジェクトでは、まちなか交流バス「IKEBUS」ほか結節する公共交通との接続した運行、飲食・物販のネット注文・宅配サービス、大学向けサービスなどの実証を行ない、2022年度中の事業化を目指し、地域回遊性と実用性・事業性の向上を検証する。アプリによる公共交通のデジタル・キャッシュレス利用、飲食・物販のネット注文・宅配サービス提供の早期実用化をめざす。

実験車両のベースはNAVYA社製の『ARMA』。事前にマッピングしたルートにおいて右左折、停止などをすべてシステムが自動で操作する(緊急時のみセキュリティスタッフが介入)。