注目の自動車ニュース

自動運転商用車の市場規模を予想—新型コロナでマイナス、2023年からV字回復か

  • 《photo by Daimler》

自律型商用車(自動運転商用車)の市場規模は、COVID-19の影響により2020年は前年比マイナス16.35%予測、その後、2023年から需要の回復によりV字回復を見込む。

グローバルインフォメーションは8月3日より、市場調査レポート『自律型商用車の世界市場 – COVID-19による成長と変化:2020年~2030年』(The Business Research Company)の販売を開始した。

自律型商用車は、自動運転車やロボット車とも呼ばれている。この調査において自律型商用車市場は、販売とその関連サービスで構成される。自律型商用車は人工知能、RADARセンサー、光検出・測距(LiDAR)などの様々な技術を使用して、車両のナビゲーション、制御、運転を行なう。

この調査で世界の自律型商用車市場規模は、2019年の75億7000万米ドルから2020年には63億3000万米ドルに減少し、対前年比マイナス16.35%になると予想されている。マイナスの理由は主にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の発生によるソーシャルディスタンス、リモートワーク、各産業や商業活動の休止を含む、経済封鎖措置だ。しかし、2023年には需要は回復し、市場規模は113億ドルに達し、対前年比平均21.31%で成長すると予測されている。

自律走行型トラックの公道テストに対する当局の承認が市場の成長を後押しする。行政当局の承認は、顧客に車両を認知する機会を与え、近い将来での市販の可能性を生み出し、今後数年間の需要を牽引すると予測される。

いっぽう大きな課題が、サイバーセキュリティとデータプライバシーへの懸念だ。車両に内蔵された自動化機器は、車両、車両性能、ドライバーの行動、車両の正確な位置に関する大量のデータを生成する。プライバシーとセキュリティに対する懸念が高まっており、市場の成長を抑制している。

自律型商用車市場の主要企業は、技術企業やロボティクス企業を買収している。例えば、ドイツのダイムラーは2019年3月、TORC Roboticsの株式の過半数を非開示の金額で取得することで合意した。Torc Roboticsは2005年に設立され、米バージニア州に拠点を置く自律型商用車のソリューションプロバイダーだ。同様に、TuSimple社はZF社との提携を発表し、カメラ、LiDAR、レーダー、ステアリング、車載水準のセントラルコンピューターZF ProAIを共同開発している。