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メルセデスベンツ Sクラス 次期型、「3Dドライバーディスプレイ」採用
メルセデスベンツは、今秋発表予定の次期『Sクラス』(Mercedes-Benz S-Class)に、新開発の「3Dドライバーディスプレイ」を採用すると発表した。
◆3Dメガネなしでリアルな立体感が得られる
新開発の3Dドライバーディスプレイが搭載される。3Dメガネをかけなくても、リアルな立体感が得られるのが特長だ。ボタンに触れるだけで、空間ビューを可能にしている。
新開発の3Dドライバーディスプレイは、4種類の表示スタイルとして、「ディスクリート(控えめ)」、「スポーティ」、「エクスクルーシブ」、「クラシック」、3種類のモードとして、「ナビゲーション」、「アシスタンス」、「サービス」から選択して、個別にカスタマイズできる。
ドライバーディスプレイには、ステレオカメラシステムが組み込まれた。これは、ドライバーの目の位置を正確に把握するために使用される。
3Dドライバーディスプレイは、従来のLCDディスプレイに、特殊なピクセル構造とコントロール可能なLCDグリルを組み合わせることによって、可能になった。「バリアマスク」がLCDの数mm手前に配置される。ドライバーの頭の位置に正確に調整されているため、左目と右目でLCDの異なるピクセルを見ることができる。これにより、立体的な印象が生まれるという。
◆AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ
オプションで、2種類のヘッドアップディスプレイ(HUD)が選択できる。このうち、大型のヘッドアップディスプレイは、拡張現実(AR)のコンテンツ表示が可能だ。関連する情報が、バーチャルにドライバーの視野に投影される。
例えば、ナビゲーション表示では、アニメーション化されたターンオフ矢印(「フィッシュボーン」)が、バーチャルに車線に投影される。先進運転支援システム(ADAS)利用時には、例えば、「アクティブディスタンスアシスト・ ディストロニック」の作動状態を表示できる。
アクティブディスタンスアシスト・ ディストロニックは、高速走行から渋滞時まで、ステアリングに手を添えているだけで、自動で加減速とステアリングアシストを行う。前走車との最適な距離を維持しながら、車線をキープし、ドライバーの疲労を軽減し、安全性の向上に貢献するシステムだ。
◆ドライバーの視点から10m先に各種情報が表示されるように見える
ARヘッドアップディスプレイは、ディスプレイの開口角が水平方向に10度、垂直方向に5度。ドライバーの視点から10m先に、各種情報が表示されるように見える。表示領域は、77インチサイズのモニターに匹敵するという。
ARヘッドアップディスプレイは、先進運転支援システムとナビゲーションの情報を表示するために、多くの拡張現実コンテンツを提供する。ドライバーにとって、これらの情報は車両の前方の視界の範囲に表示されるため、注意散漫を減らすことができる。情報が現実の視界に重ね合わされる形となるため、運転状況にとって重要な直接認識できる情報になるという。
画像形成ユニットは、1.3ミルの高解像度マトリックスを備えた複数のミラーと高効率な光源で構成されている。この技術は、映画館のプロジェクターに使われているものだ。次期Sクラスでは初めて、ヘッドアップディスプレイに画像を生成するために、このテクノロジーを使用している。
シートの調整はドアパネルのスイッチで可能だが、ディスプレイ画面からも調整することができる。シートヒーターやマッサージなどの快適機能は、音声によっても操作できる。