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BMW、新世代の直6クリーンディーゼル搭載…今夏から欧州で
BMWは今夏から、新世代の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを欧州仕様車に搭載すると発表した。
BMWの新世代の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンは、より少ないCO2排出量で、より多くの出力を発揮することを目指して開発された。最適化されたBMWのツインパワーターボテクノロジーなどを採用している。
◆48Vのマイルドハイブリッドシステム
新世代の直列6気筒ディーゼルエンジンは、効率的なアルミ製パワーユニットだ。排気量は3.0リットルで、48Vのマイルドハイブリッドシステムを組み込む。電圧48Vのスタータージェネレーターと第2のバッテリーを搭載することで、ブレーキエネルギーの回生量と電力量を大幅に増加させた。この電気エネルギーは、電装品に電力を供給するだけでなく、エンジンの負荷を軽減させたり、パワーを高めたりするためにも使用される。
このスタータージェネレーターは、瞬時に11hpの電気ブースト効果を生み出し、追い抜きや追い越しがさらにダイナミックに行えるようになる。また、このパワフルなスタータージェネレーターは、定速走行時にエンジンを補助することで効率を高め、オート・スタート・ストップ時やコースティング機能により、走行中の快適性を向上させるという。
また、新ディーゼルエンジンは、最適化されたターボチャージャーシステムに加えて、ピエゾインジェクターを備えた最新のコモンレール直噴システムにより、パフォーマンスと燃費の両方を追求している。インジェクターは1サイクルあたり最大10回の燃料噴射を、最大圧2700バールで行う。
◆2種類のパワースペック
新世代の直列6気筒ディーゼルエンジンには、2種類のパワースペックが用意される。改良新型『7シリーズ』には、最大出力が従来比で21hp向上し、286hpとなった直6ターボディーゼルを積む。このエンジンは、「730d」、「730d xDrive」、「730Ld」、「730Ld xDrive」に搭載される。730dの場合、欧州複合モード燃費は21.3km/リットル、CO2排出量は123 g/kmとした。
このエンジンは、『X3』、『X4』、新型『X5』、新型『X6』にも採用される。「X3 xDrive30d」、「X4 xDrive30d」、「X5 xDrive30d」、「X6 xDrive30d」の各グレードに搭載される。X4 xDrive30dの場合、欧州複合モード燃費は19.6km/リットル、CO2排出量は136g/kmだ。
新エンジンには、BMWの直列6気筒ディーゼルエンジンとして初めて、マルチステージターボチャージャーと、低圧用の可変タービンジオメトリーが採用された。これにより、最大トルクは、63.2kgmから66.3kgmへ、3.1kgm向上した。最大トルクは1500~2500rpmの低回転域で引き出される。このトルクの強化により、たとえば、730dと730d xDriveの場合、0~100 km/h加速はそれぞれ0.2秒短縮され、5.9秒と5.6秒を実現している。
◆強力版はX3とX4の「M40d」にも搭載
もうひとつのスペックは、新しいディーゼルエンジンの強力版だ。「740d xDrive」と「740Ld xDrive」に搭載される。740d xDriveの場合、欧州複合モード燃費は19.2km/リットル、CO2排出量は136g/kmとなる。
また、このエンジンは、X3 の「M40d」、X4の M40d 、『X7』の「xDrive40d」にも搭載される。マルチステージターボチャージャーシステムは、可変タービンジオメトリー付きの高圧と低圧ターボチャージャーで構成されている。その結果、最大出力340hp/4400rpm、最大トルク71.4kgm/1750~2250 rpmを獲得する。たとえば、740d xDriveでは、強化されたパワーにより、0~100 km/加速は0.2秒短縮し、5.0秒で駆け抜ける。
2つの新しいエンジンは、ディーゼル酸化触媒コンバーター、「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」、SCRコーティングなどの排気ガス処理技術を採用する。窒素酸化物(NOX)排出量を削減するために、エンジンのSCRシステムの出口に、2つ目のSCR触媒コンバーターが組み込まれた。その結果、新しい直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載したモデルは、欧州のEuro 6d排出ガス基準を満たす、としている。