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VW ゴルフ 新型に高性能ディーゼル「GTD」、ジュネーブモーターショー2020で発表へ
フォルクスワーゲンは2月14日、スイスで3月に開催されるジュネーブモーターショー2020において、新型『ゴルフGTD』(Volkswagen Golf GTD)を初公開すると発表した。
◆初代ゴルフGTDは1982年に発表
同車は、新型『ゴルフ』のディーゼルエンジン搭載の高性能グレードだ。1982年、フォルクスワーゲンは初代ゴルフGTDを発表した。これにより、フォルクスワーゲンは、コンパクトクラスのスポーティモデルに、新たな興奮をもたらしたという。
新型ゴルフGTDには、これまでにゴルフに搭載されたディーゼルエンジンの中で、最もクリーンなターボディーゼル「TDI」エンジンを積む。フォルクスワーゲンによると、新型ゴルフGTDのTDIエンジンは、世界で最もクリーンなエンジンのひとつになるという。
◆「ツインドージング」技術で排ガスをクリーン化
この新しいTDI エンジンには、フォルクスワーゲンが、「ツインドージング」と呼ばれる2 つのSCR 触媒コンバーターを採用する。
ツインドージングでは、「Adblue」を直列に配置した2つのSCR触媒コンバーターの上流から注入する。Adblueは、排ガス中に含まれる窒素酸化物(Nox)を、水と窒素に分解する還元剤の役割を担うアンモニアを含んだ尿素水だ。
ツインドージングを行うには、車両に2つ目のSCR触媒コンバーターを装着することが必要になる。第2の触媒コンバーターの上流の排気温度は、エンジンまでの距離が長いため、およそ100度低くなる。これにより、排気ガスの後処理能力が拡大する。フォルクスワーゲンによると、排気ガス温度がおよそ500度に達するエンジン付近でも、システムは非常に高い変換率を達成できるという。さらに、SCRシステムの下流のブロッキング触媒コンバーターが、過剰なアンモニアスリップを防止する。
このツインドージングプロセスは、ディーゼルエンジンの欠点を補う。ディーゼル燃料はエネルギー密度が高く、燃焼プロセスがより効率的なため、最新のディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもCO2排出量が少ない。ただし、燃料の燃焼には空気が使われるため、ディーゼルエンジンにも特別な要件が適用される。空気の主成分は窒素であり、燃焼中に酸素と反応し、窒素酸化物を生成する。
アンモニアは、ディーゼルエンジンで生成される窒素酸化物を減らすために必要だ。そこでAdBlueを、SCR触媒コンバーターの上流の排気ガスに注入する。溶液は蒸発し、還元剤が分解され、蒸気と結合してアンモニアが生成される。SCR触媒コンバーターでは、アンモニアが窒素酸化物と反応して、無害な水と窒素に分解される。
現行の排ガス処理システムでは、ターボチャージャー、ディーゼル酸化触媒コンバーター、サイレンサーパイプの間に、SCR触媒が配置されている。SCRコーティングは、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)に使用されており、コールドスタート後でも、適切な排気ガス温度に迅速に到達する。フォルクスワーゲンによると、変換率が90%を超える理想的な温度は、220~350度になるという。
ツインドージングシステムのおかげで、排気ガス温度が350度を超えても、変換率が下がることはないという。 350度レベルの温度は、たとえば、高速道路での長時間走行、エンジンを高回転まで回しての長時間走行、フル積載のトレーラーをけん引して上り坂を走行する時などに到達する。
フォルクスワーゲンによると、新ディーゼルは、窒素酸化物(NOx)排出量を大幅に削減する。さらに、燃費やCO2排出量も改善すると同時に、エンジンのレスポンスも向上しているという。
◆専用デザインのスポーティなエクステリア
新型ゴルフGTDには、専用のエクステリアデザインが採用される。メッシュパターンのフロントバンパーグリルや、そのメッシュパターンに合わせたフォグランプが特長だ。フォルクスワーゲンによると、新型ゴルフGTDのカリスマ的なデザインは、ダイナミズムと自信のユニークな組み合わせを反映しているという。
また、新型ゴルフGTDには、フルデジタルコックピットが採用される予定だ。このフルデジタルコックピットのパルスボタンを押すことにより、新型ゴルフGTDは、新しい時代のビートに合わせて起動する、としている。