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【メルセデスベンツ EQC】初のEVでも、メルセデスらしい徹底した作り込み[詳細画像]

  • 《撮影 雪岡直樹》
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メルセデスベンツの電動モビリティに特化したサブブランド「EQ」から発売されているミドルクラス電動SUV『EQC』(Mercedes-Benz EQC)は、メルセデスベンツ日本としては初のピュアEVモデルである。全長4761×全幅1884×全高1623。

◆ツインモーターが生み出す加速

EQCは、メルセデスが新たに開発した電動パワートレインを搭載する。前後アクスルに1つずつモーターを搭載し、通常走行時は前輪駆動、走行状況によってリアモーターを使用する、可変トルク配分がなされる4WD方式を採用。欧州参考値で合計最大出力408ps(300kW)、最大トルク765Nmを発生し、重量2.5トンのEQCを0-100km/h、5.1秒で加速させる。

ドライブモードは、デフォルトのコンフォートモードとエネルギー消費を抑えるエコモード、スポーツモード。その他にも、走行特性やサスペンション特性、ステアリング特性をカスタム設定が可能なインディビジュアルモードが設定されている。

回生ブレーキの強度レベルをステアリングホイール横のパドルシフトで調整することで、アクセルのみで加減速を行えるワンペダルドライブも可能。強度レベルは4段階設定され、低いレベルから順にD+、D、D-、D–となり、ブレーキランプも減速時に合わせて点灯する。

蓄電容量80kWのリチウムイオンバッテリーを車体中央床下に設置することで低重心化を実現。安定した走行に貢献している。航続距離は、欧州仕様のWLTCモードで400kmをマーク。充電は、200V・30A充電の交流普通充電と国際標準の急速充電規格チャデモ(CHAdeMO)方式に対応し、充電口は右リアフェンダー(普通充電)とバンパーコーナー(CHAdeMO)の2箇所に設置。普通充電では約13時間で満充電、急速充電では30分で約120kmの走行が可能になる。

同社のミドルサイズSUV『GLC』をベースに、既存の後輪駆動車に採用されてきたMRAプラットフォームをEQCでも採用。EQC全体の85%は専用パーツで構成され、ブレーメン工場で生産されている。

◆EQブランドのデザインエッセンス

マルチビームLEDヘッドライトやデイタイムライトと一体となったフロントマスクやリアコンビネーションライトなどを筆頭とするEQCのデザインは、電動モビリティブランドであるEQのコアエッセンスとして、今後登場するEVモデルに採用されるという。EQCは、EQブランドを象徴するシルバーとブルーのツートンカラーを組み合わせた20インチ10スポークアルミホイールを履き、オプションとして21インチAMGマルチスポークホイールも選択が可能になっている。

EQCは、同社の新型『Aクラス』から導入されている「Hi, Mercedes」でお馴染みの対話型インフォテイメントシステム、メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス(MBUX)を搭載。搭載されるボイスコントロールでは、自然言語を理解しユーザー意図を汲み取るという。手を使わずにエアコンの温度調節や音楽選択、ルート設定などが可能である。充電ステーションの位置や詳細、空き情報などのリアルタイム情報もMBUXの地図上に表示される。Mercedes meアプリを介しても充電ステーションの検索も可能で、Send2Carを利用して目的地をMBUXに送信することも可能だ。

同社の『Eクラスセダン』から導入が開始されたデジタルコックピットをEQCでも採用。メーターなどを表示するディズプレイと、インフォテインメント上記のインフォテイメント類を表示するディスプレイを1枚のガラスカバーで融合させたデザインを持つ。

EQCのラゲッジスペースは、後席バックレストを立てた状態で500リットル(VDA方式)。後席を倒した状態では1460リットルの容量を誇り、SUVとしてのユーティリティーも兼ね備えている。

◆EVならではの不安を払拭するサービス

EQCは標準装備として、歩行者や自転車に車両の接近を知らせる疑似走行音発生システム「AVAS」(アコースティック・ビークル・アラーティング・システム)を搭載。日本仕様では「アコースティックアンビエントプロテクション」という名称。メルセデスベンツの技術センターで開発されたこのシステムは、車速30km/h以下で作動し、ドライバーの操作でオフにすることも可能だ。

購入時の不安を軽減し販売促進を図るべく、メルセデスベンツはEQCの発売に合わせて新たにオンラインストアでの納入方法を拡充。リース契約満了時に残価差額精算が不要のクローズエンドリースを新たに設定。新車登録時より5年間、10万kmまでの一般保証とメンテナンス保証、24時間ツーリングサポートを無償で提供する「EQケア」を全車標準装備。車載バッテリーも、8年または16万km以内で残容量が70%に満たないと、サービス工場の診断機に判断された場合に特別保証が適応される。

また、全国各地約2万1000基ある提携充電ステーションの利用料及び月額基本料を1年間無償で利用可能なメルセデスミーチャージや、ユーザーの自宅等に交流普通充電器の充電用ウォールユニットの無償提供、設置費用の10万円サポートも行うという。

価格は、EQC400 4MATICが1080万円、導入記念に際した特別仕様EQC Edition 1886が1200万円となっている。