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世界初の自動運転MaaSの実証実験—ZMPなど7社、羽田・成田と丸の内を結んで
自動運転事業を手掛けるZMPは1月20日、東京空港交通や東京シティ・エアターミナル(T-CAT)など7社と共に、世界初、空港リムジンバス・自動運転タクシー・自動運転モビリティを活用した MaaS 実証実験を東京都内で実施。初日となる同日、出発セレモニーを開催した。
この実証実験に参加したのは、東京空港交通、T-CAT、日本交通、日の丸交通、三菱地所、JTB、ZMPの7社。実験は東京都事業の「自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に基づいて実施されたもので、スマホアプリを使い、自動運転車を含めた複数の交通手段を「1つの移動サービス」として提供する取り組みは世界初の試みになるという。ターゲットはインバウンドで来る外国人で、そのために実験では目的地付近のラストワンマイルまでサポートすることとした。
具体的には、成田空港・羽田空港から東京中央区にあるT-CATまでリムジンバスで行き、T-CATからは東京駅周辺にある丸の内パークビルまでの約3kmをZMPの自動運転タクシー「ロボカー・ミニバン」で走行。そして、最後のラストワンマイルとなる丸の内パークビルでは、丸の内エリアを走るZMPの自動運転モビリティ「ロボカー・ウォーク」に乗り換えて目的地まで向かう。
乗客はスマートフォンにインストールした専用アプリを使い、あらかじめ目的地を登録するとすべての乗り物を一括予約することが可能。空港からのリムジンバス乗車時はアプリに表示された4桁の数字を提示し、ロボカー・ミニバンではドア横にあるQRコードを読み込むとドアが開いて乗車可能になる。
ロボカー・ミニバンの運転はシステムが全て手がけるが、緊急時に備えて運転席にはドライバーが座る。一方、ロボカーウォークは低速走行ということでハンドルやアクセル、ブレーキはすべて自動で行われる。
実証実験に先立ってT-CATで開かれたセレモニーには、主催者としてZMP 代表取締役社長の谷口恒氏、東京空港交通/東京シティ・エアターミナル代表取締役社長の内波謙一氏、三菱地所 街ブランド推進部 オープンイノベーション推進室長の佐野洋志氏、日の丸交通 代表取締役社長の富田和孝氏、JTB 執行役員 法人事業本部 事業推進部長の檜垣克己氏が出席。また、来賓として東京都 副知事の宮坂学氏、国土交通省 自動車局長の一見勝之氏、全国ハイヤー・タクシー連合会 会長の川鍋一朗氏、元女子バレーボール日本代表の狩野舞子氏が出席し、全員が揃ってテープカットを行った。
ZMP 谷口氏は今回の実証実験について、「バスとタクシーと1人乗りのモビリティ、異なる交通手段をスマホアプリでワンストップで利用できる東京版MaaSで、ターゲットは増加するインバウンド」であると説明。「世界中の1人でも多くの方に自動運転を楽しんでもらいたい」とコメントした。続いて日の丸交通の富田氏は「あえてルートの設定を前回の実験より難易度を上げた。進化した自動運転技術を検証していきたい」と述べ、式典後のインタービューでは「(運転手が要らない完全自動運転タクシーの実現時期について)実験を積み上げた上で、2025年頃には限られたルートで始めることをイメージしている」と述べた。
当実証実験の開催期間は1月20日から2月1日まで(10~17時)の予定。なお、実証実験の参加申し込みはすでに締め切られている。