注目の自動車ニュース

平城宮跡歴史公園で自動運転バスの実証実験…富士通の「オンデマンド交通サービス」採用

  • 《写真AC》
  • 《画像 パーセプティン、富士通》
  • 《画像 パーセプティン、富士通》

富士通は1月9日、パーセプティン・ジャパンが実施している奈良市の平城宮跡歴史公園での自動運転バスの実証実験に、富士通のオンデマンドで配車するクラウドサービス「オンデマンド交通サービス」を採用し、1月18日から運用を開始すると発表した。

パーセプティンは「マイクロ・ロボットタクシー」による来場者の回遊性促進やアトラクションの集客力を検証するとともに、商用サービスとして提供するための運用面や技術面の課題抽出を目的に、2019年11月から平城宮跡歴史公園で8人乗り低速電動車両を活用した「マイクロ・ロボットタクシー」サービス実証実験を行っている。

これまで、平城宮跡歴史公園内の周遊コースに設置された3つの停留所では、予約受付担当がトランシーバーで連絡を取り合いながら各停留所の乗車可能人数をカウントし、先着順の乗車としていた。このため、利用者は停留所に来ても満席で乗れないケースもあり、今後いつ乗れるかもわからない状況もあった。

パーセプティンと富士通は、「マイクロ・ロボットタクシー」と「オンデマンド交通サービス」を連携させることで、地域における交通サービスやビジネスモデルを両社で模索。今回、実証実験で利用者の予約、配車、定員管理、車両位置情報監視を実現する富士通の「オンデマンド交通サービス」を活用し、自動運転で周遊する車両を複数停留所での乗降ニーズに応じ効率的に配車できるかを検証する。

具体的には、停留所にいる予約受付担当が利用者人数、時間、乗降する停留所などの予約情報、運行車両内にいる担当者が実際の乗降人数などの情報を専用のアプリケーションにそれぞれ入力する。それらの情報と運行車両の現在位置、定員人数などの情報を「オンデマンド交通サービス」上でリアルタイムに自動的にマッチング、自動運転バス利用者の需要に応える配車・運行を適正に実施できるかを検証する。

パーセプティンは、自社開発した自動運転用システムとセンサーを、最大速度20km/h程で走行可能な電気自動車に搭載し、車内の担当者を配備し、平城宮跡歴史公園を自動運転で運行させる。場内に3つの停留所を設置し、予約受付担当を配備する。

富士通は、各停留所の予約受付担当が使用する乗車定員に応じた予約受付、運行車両の予約情報管理や位置情報管理のためのオペレータアプリを提供。車内の担当者が使用する各停留所で乗降する予約情報閲覧、乗降者を管理するためのドライバーアプリを提供する。

実証実験は1月18日、19日、2月1日、2日、15日、16日、29日、3月1日に実施する。

両社は実証実験結果を基に、「オンデマンド交通サービス」による自動運転車の呼び出し、無人での確実な乗降管理など、地域活性化に貢献する自動運転によるモビリティサービスの提供に向けて互いのシステムに求められる要件を抽出し、改善に向けて検討する。