注目の自動車ニュース
アウディ R8 に2WD、ミッドシップに540馬力のV8搭載…欧州発表
アウディは11月6日、『R8 V10 RWD』(Audi R8 V10 RWD)を欧州で発表した。
『R8』はアウディのフラッグシップスポーツカーだ。現行R8は2世代目モデルで2015年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2015で発表された。2018年秋には、デビュー以来初の本格改良を受けて、改良新型が発表された。ボディタイプは、クーペとスパイダーの2種類が設定されている。
今回、欧州で発表されたR8 V10 RWDは、4WDの「クワトロ」を廃し、2WDの後輪駆動化したモデルだ。アウディR8に2WDモデルが用意されるのは、2018年初頭に世界限定999台が発売された『R8 V10 RWS』以来となる。
◆0~100km/h加速3.7秒で最高速320km/h
R8 V10 RWDのミッドシップには、直噴5.2リットルV型10気筒ガソリン自然吸気エンジンが搭載される。最大出力は540ps/6500rpm、最大トルクは55.1kgmを発生する。トランスミッションは7速「Sトロニック」を組み合わせる。
2WD化によって、プロペラシャフト、クワトロのマルチプレートクラッチ、フロントアクスルのディファレンシャルがなくなり、車両重量が軽くなった。車両重量はクーペの場合、およそ65kg軽量化され、1595kgとした。スパイダーの場合、およそ55kg軽量化され、1695kgとなる。前後重量配分は40対60だ。動力性能は、クーペが0~100km/h加速3.7秒、最高速320km/h、スパイダーは0~100km/h加速3.8秒、最高速318km/hと公表されている。
R8 V10 RWDの ESCはスポーツモード時に、サスペンションのセットアップと制御システムによって、ドリフトを制御することができる。パワーステアリングは、専用チューニングされた。足回りには、フロントに245/35R19タイヤ、リアに295/35R19タイヤを履く。ブラック仕上げの19インチホイールを標準装備した。オプションで20インチホイール&タイヤも選択できる。
◆改良新型R8に準じたエクステリア
R8 V10 RWDのエクステリアは、改良新型R8に準じる。最新のLED技術が組み込まれたヘッドライトや新デザインのフロントグリル&バンパーを採用する。シングルフレームグリルは、従来よりもワイドかつフラットな形状だ。新デザインのフロントリップスポイラーやディフューザーも装備された。フードのフラットなスリットは、1980年に発表されたアウディ『スポーツクワトロ』がモチーフだ。
サイドブレードは、上側のブレードをグロスブラック、下側のブレードをボディ同色で塗装した。フロントブレード、サイドシルインサート、ディフューザーは、グロスブラック仕上げとなる。リアでは、ボディ幅いっぱいにエアアウトレットが拡大された。新デザインのディフューザーには、楕円形の大型エキゾーストパイプが組み込まれる。
オプションで、「エクステリアパッケージ」を設定する。「カーボンスタイリングパッケージ」と、「ブラックスタイリングパッケージ」だ。アウディの4リングとエンブレムはハイグロスブラック化することも可能。ボディカラーには、新しいメタリックカラーとして、イモラグレイを用意した。
◆最新のアウディ バーチャル コックピット
インテリアは、フォーミュラカーをイメージさせるモノポストデザインを採用する。これにより、ドライバーと車両の一体感を追求した。ステアリングホイールには、エンジンスタート&ストップボタンや「アウディドライブセレクト」のボタンを集約した。主要な操作をステアリングホイールから手を離すことなく行える。スポーツシートは、レザー&アルカンターラ仕上げ。「RWD」のロゴが、助手席前方のダッシュボードに装着される。
メーターパネルには、12.3インチのTFTディスプレイをレイアウトした。「DIS (ドライバー・インフォメーション・システム)」や地図表示などの機能を統合した最新の「アウディ バーチャル コックピット」を標準装備する。速度計、回転計などの走行情報から、ナビゲーション表示、ラジオやメディア情報など、ドライバーのニーズに合わせた表示情報を、好みに応じてカスタマイズできる。最小限の視線移動で必要な情報が得られるインターフェイスを追求している。
スパイダーには、電動式ソフトトップを装備した。遮音性に優れたクロス製で、フレームにはアルミと鋳造マグネシウムを採用する。トップコンパートメントカバーはCFRP製だ。重量は約44kgで、軽量化と低重心化に貢献する。開閉に要する時間は約20秒で、50km/h以下なら走行中でも開閉できる。