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【ホンダ N-WGN 新型】開発責任者「N-BOXの資産も活かした」…先進装備を意欲的に採用

  • 《撮影 池原照雄》
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ホンダは7月18日、ハイトワゴンの軽自動車『N-WGN』(エヌワゴン)を全面改良し、8月9日に発売すると発表した。シンプルで落ち着いたデザインとし、安全面では軽自動車初の技術を積極採用するなど充実を図った。

N-WGNは2013年11月に初代が登場しており、約6年ぶりの刷新となる。ホンダの軽自動車「Nシリーズ」は、まず主力モデル『N-BOX』を17年に全面改良し、新たなプラットフォーム(車台)や安全運転支援システムの「ホンダセンシング」を採用した。今回、そうした技術群をN-WGNにも展開した。基本タイプのN-WGN(価格は127万円台から163万円台)と、スタイリッシュで上級な「N-WGN Custom」(カスタム、同151万円台~179万円台)の2タイプがある。

ホンダセンシングは全グレードで標準仕様とし、さらにホンダの軽自動車では初となる「渋滞追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」を採用した。渋滞で先行車が停止すると自動停止し、3秒以内で先行車が発進すると自動で、また3秒より長く止まった場合もボタンかアクセルの操作で追従を再開する。

また、衝突軽減ブレーキでは、街灯のない夜間でも横断する歩行者の検知に加え、ホンダ車として初めて横断する自転車も検知できるようにした。さらに、後退時に超音波センサーで安全な駐車を支援する「パーキングセンサーシステム」も標準装備している。

新型車は「使い勝手」もこだわって追求し、大柄な人などさまざまな体格のドライバーに運転しやすい姿勢をサポートするため、ハンドルが前後と上下方向に調節できる「テレスコピック&チルト」方式のステアリング機構を同社の軽自動車として初採用した。また、スイッチ操作で作動・解除ができる電子制御パーキングブレーキや、停止時にブレーキペダルから足を離しても停止を保つオートブレーキホールド機能も新採用した。

荷室は上下2段階での利用など多彩なスペースが展開できる仕組みにした。荷物の積み下ろしが楽にできるようバックドアを大きくし、リヤゲート開口部を広げている。こうした細かい商品性の向上にも意欲的に取り組んでいる。燃費性能は自然吸気エンジンの場合、WLTCモードで23.2km/リットルと、従来モデルより約7%改善(社内測定値)している。

開発責任者である本田技術研究所の古舘茂主任研究員は「ベーシックカーの新基準を作ろうという想いで開発してきた。さまざまな人の暮らしをしっかり見つめる一方、ある意味、ライバル車は見過ぎないようにした。乗る方が何も我慢せず、自然体で乗りこなせるものに仕上げることができた」と、アピールしている。

パワートレインは基本的にN-BOXと共用化するなど、同車との部品共用化はコストベースで約40%という。このような原価低減の取り組みによって、N-WGNはホンダの軽自動車では初となる数々の先進装備の採用も可能となった。N-BOXは18年度まで4年連続軽自動車市場のベストセラーと、量的な支えがある。古舘氏は、「そうしたN-BOXの資産を活かすことができた」とも指摘する。