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トヨタ『クラウン』ついにエステート登場! 荷室も特等席、デザインや走りの注目ポイントは? 開発陣が語る…発売記念イベント
クラウンシリーズの完結編として登場したトヨタ『クラウン(エステート)』。発売日である3月13日にプレスや招待客、一般に向けたお披露目イベントが東京の麻布台ヒルズで開催された。会場には4台のクラウンが勢揃いし、開発者やゲストが登壇した。
◆今年で70周年、16代目は新たな挑戦を込めたクルマ
“Discover Your Way Life CROWNs.”と銘打たれたクラウンエステートのお披露目会。麻布台ヒルズにあるパブリックスペースにクロスオーバー、スポーツ、セダンも合わせて4モデルが勢揃いし、クラウンの持つ世界観を表現した。
クラウンエステートは、クロスオーバーから始まった16代目クラウンシリーズの4モデルを完結させるアンカーとなる車種。バンパー一体型のフロントグリルやグラマラスなラゲッジまわりのボディラインを備えた個性的なモデル。車両前後を貫くショルダーラインなどシャープなフォルムを持つのもエステートの特徴となっている。2.5リットルプラグインハイブリッドシステムを搭載した「ESTATE RS」と2.5リットルハイブリッドシステムを搭載した「ESTATE Z」をラインアップ。「大人のアクティブキャビン」をテーマにしたもうひとつのクラウンを提案する新型モデルだ。
イベントのスタートは開発陣によるプレゼンテーションから。クラウンチーフエンジアの清水竜太郎氏、クラウンプロジェクトチーフデザイナーの宮崎満則氏、クラウン製品企画主査の本間裕二氏、そしてクラウンカラーデザイナーの宍戸恵子氏が登壇し、同モデルの開発を手がける中でのリアルな思いを披露した。
冒頭、清水氏から16代目クラウンへの思いが語られる。
「クラウンは1955年に登場して今年が70周年にあたります、それは革新と挑戦の歴史でした。その中で16代目のクラウンはセダン、FRにこだわることのない新たな挑戦を込めたクルマになりました。価値観が多様化する現在、クラウンも新しい時代を迎えたのです」
本間氏からは16代目クラウンがスタートしたクロスオーバーに込めた思いも披露。
「クロスオーバーは現行クラウンの象徴的存在です。クラウンの70年の歴史と今をまさにクロスオーバーする存在になっているのです。16代目クラウンのど真ん中がこのクルマです」
セダンをリフトアップするスタイルをプランした新しいチャレンジもクラウンらしい挑戦的なクルマ作りだと開発陣は自負する。さらにスポーツはシリーズ中もっとも大胆でチャレンジングなデザインを込めたクルマであることも語られた。
◆エステートならではの荷室、デザインにも見どころ
続いて、新登場したエステートに話題が及んでいく。エステートの開発時に掲げたのは上質、洗練、余裕という3つのキーワードだった。機能的であること、そして大人のアクティブキャビンを具現化したのがエステートだ。本間氏からエステートに込めた思い紹介される。
「クラウンは全席が特等席だと標榜していますが、エステートはさらに荷室も特等席なんです。快適なフルフラットスペースを備える荷室を使ってアクティブライフを存分に楽しんでほしいです」
リアシートを格納すれば1470リットルの大容量の荷室を確保できるエステート、レジャーギアの積載はもとよりくつろぎの空間として用いることも想定した広大なラゲッジとしたのも同モデルの特徴だ。
さらにエステートのデザイン面での見どころとしてバンパー/グリル一体型の処理が紹介された。その狙いは“品格はありつつカジュアルさを取り入れる”ことが狙いだった。ハンマーヘッドフェイスなどのデザインは踏襲しつつ、エステートらしいフェイスを作っている点も確たる狙いがあってのこと。さらにカラーリングや内装色への思いは担当した宍戸氏の口から語られた。
「内外装カラーのインスピレーションを得たのは“早朝の空気”です。サーフィンやトレッキングなどを楽しむ朝の空気感がクルマのカラーでも表現できればと思ったのです」
これまでの高級ワゴンにはないしゃれっ気のあるデザインを備えるエステートは、フォーマルで乗るクルマではなくジーンズでも似合うことがターゲットになっていることも紹介された。
エステートの走りについても開発陣から言及される。
「長距離移動を快適にストレスフリーにするために、特に直進安定性と快適さを徹底してこだわりました」(本間氏)
走りの楽しさを体感できるクルマに仕上がっているのも開発陣の自慢でもある。しっかりした操舵感と質感の高い乗り心地が得られるサスペンション設計を投入し、ノーマルモード/スポーツモード/リヤコンフォートモードの3つのドライブモードを備えることもクラウンの走りの楽しさをサポートしている。
開発陣のプレゼンテーションの最後にはクラウン専門店であるTHE CROWNで販売が予定されている特別仕様車「THE LIMITED MATTE METAL」の紹介も行われた。会場の一角には同車のプロトタイプも実際に展示され、マットメタルなボディの質感やカラーリングをリアルに体感することができた(今年の夏頃の発売を予定)。クラウンというブランドの発信拠点となるTHE CROWNがユーザーとの新たなコミュニケーションのルートになること、新しい販売スタイルになることもクラウンの挑戦のひとつとして紹介された。
◆「若いスタッフに任せることが多くなった」20代デザイナーの発案も
イベントの後半はラジオDJのサッシャさん、元バレーボール選手の古賀紗理奈さんが登壇して開発陣を交えたスペシャルトークセッションが行われた。まずは古賀さんがクラウンスポーツを契約したことが話題に上る。
「夫がクルマ好きでクラウンスポーツ推しだったんです。それで実際にクルマを見てみたら私も“かっこいい!”って一目惚れして購入を決めました。実はクラウンスポーツの購入を決めてから免許を取りにいったんです。これまでは週末のお出かけは夫のクルマで連れて行ってもらっていたんですが、クラウンスポーツが納車されたら自分のドライブでペット2匹とドッグランに出かけたいです」
さらにトークのテーマは70周年を迎えるクラウンの革新と挑戦にまつわるエピソードへと広がっていった。サッシャさんが挑戦し続けているのは気象予報士だという。
「私自身が今挑戦していることは気象予報士なんです。モータースポーツに関わる放送や仕事をしているので天気は非常に大切。そこで自分でも天気の動向を知って、リスナーにもいち早く伝えたいと思ったのがきっかけでした」
一方の古賀さんはパリオリンピックでの女子バレーボールのキャプテンを務めた際のエピソードを披露した。
「キャプテンをしてて大切にしていたのは年長のメンバーも若いメンバーも分け隔てなく、みんなで戦っていける環境を作ることでした。特に若いメンバーはなかなか前に出てしゃべりにくい空気があるんですが、自分の考えをなかなか話せないんです。でも、素晴らしい考え方も多いので、それを引き出してチームと共有していこうと後押しました。そうしてチームがひとつになれたと思います」
するとクラウンの開発時にも似た思いがあったという。
「今回のクラウンの設計でも若いスタッフに任せることが多くなりました。実際にエステートのバンパー/グリル一体型のデザインは20代のデザイナーの発案です。3Dプリンターで何度も試作を作って製造現場とのすりあわせをしていたのが思い出されます。これも昔のクルマ作りとは大きく変わった部分でもあり、クラウンの革新と挑戦を支えている部分だと思っています」(宮崎氏)
話題はさまざまに派生していったが、ここで時間となりスペシャルトークセッションは終了。最後にエステート以外のクラウン3モデルを試乗したことのあるサッシャさんから来場者へクルマ選びについて語りかけるシーンがあった。
「クルマ選びは未来の自分を選ぶことでもあると思うんです。ちょっと背伸びしてクルマを選んで、そこに到達する・選んだクルマに似合う自分になる、自分を高めていけるのもクルマ選びだと思っています。そしてクラウンの試乗に行ったらぜひモード切り替えを積極的に試してみてください。ドライブモードでこんなに走りが違うんだと言うことを実感してください」