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「2トンの2ドアスポーツカーはありえない」ポルシェ ボクスター/ケイマンEV、“ほぼ”最終形をスクープ!
ポルシェが現在開発中の2ドアスポーツカー、『718ボクスター/ケイマン』の完全電気バージョンを、スクープ班のカメラがフィンランド山中で初めて鮮明に捉えた。プロトタイプは『911』を模したカモフラージュをまとっている。
これは718EVの最終デザインも911に似ていることを示唆している。特にサイドウィンドウ輪郭の、フェイクのクロームトリムと、ウィンドウ上に追加された黒いパネルの処理によって、プロトタイプは911にかなり似ている。フロントガラスの角度が近いことや、ポルシェファミリーとしてノーズの造形が似ていることも、類似している理由だ。
フロントエンドでは、ヘッドライトは一見すると911のように丸いが、長方形のヘッドライトの周囲にダミーの丸いデカールが貼られたもので、ここは911と異なる。バンパー両側のエアインテークに水平バーが装備されているが、これもダミーだ。その奥には垂直のストラットが取り付けられており、「911GTSハイブリッド」に装着されたアクティブフラップと非常によく似ている。リアでは、琥珀色のLED方向指示器が点灯しているショットを含め、後部ライトバーを捉えた。
リアバンパー中央の充電ポートも鮮明に確認できる。助手席側は見えなかったので、フェンダーに第2の充電ポートがあるかどうかは確認できない。充電ポートが2つあるのは珍しいが、ポルシェはすでにタイカンEVに2つのポートを搭載、1か所はレベル1と2用、もう1か所はレベル1、2、3(急速充電)用だ。
718EVの開発作業は遅れているが、これは昨2024年に破産した、ポルシェのバッテリーサプライヤーだったノースボルト社に問題があったとの報道がある。しかし先日、暖地でプロトタイプを目撃したのに続いて、冬季テストも捕捉され、ポルシェのエンジニアたちは懸命に開発を進めていることがうかがえる。
718EVの量産型では、洗練されたライン、低いスタンス、そして効率性とパフォーマンスを向上させる空力プロファイルが期待できる。最先端の電動パワートレインを搭載、全輪駆動と瞬時のトルク伝達を実現するデュアルモーター構成が予想される。0-100km/hを3秒以内で加速できるようになり、市場で最も速いスポーツカーの部類になるだろう。
高級感、スポーティさ、最先端のテクノロジーが融合されるキャビン内では、上質な素材、人間工学に基づいたドライバー重視のレイアウトが期待できる。大型インフォテインメントディスプレイを備えたデジタルコックピットでは、さまざまな接続機能により、ナビゲーション情報や、パフォーマンスデータにアクセスできるはずだ。
ポルシェのEVスポーツカー計画は、様々な物議を醸していることは否定できないものの、ポルシェの幹部はドライバーズカーになると主張している。モデルライン担当のフランク・モーザー副社長は「航続で最長距離を記録したいわけではない」と語る。むしろ「私にとって最も重要なことは、電動化しても重量を抑えることだ」と付け加え、「2トンの2ドアスポーツカーは作れない」とも言う。現在、内燃機関を搭載している718ケイマンは1335~1365kgだが、EV化されても軽量を維持すると見られる。
718EVのワールドプレミアは、早ければ718ボクスターEVが2025年以内に発表され、718ケイマンEVは2026年と予想される。