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自分だけの部屋が車内に! 日産『MYROOM』が実現する快適アウトドアライフ…ジャパンキャンピングカーショー2025
千葉の幕張メッセで開催されているジャパンキャンピングカーショー2025(1月31日~2月3日)。日産ブースに『キャラバン』と『NV200』をベースにした「MYROOM」と呼ばれるモデルが展示された。車中泊の質をアップさせる装備を備えたメーカー製・車中泊仕様に注目した。
◆車内をまさしく“自分の部屋”にするMYROOMの魅力
MYROOMは(マイルーム)は日産がメーカー純正でラインアップする車中泊仕様車だ。現在キャラバンベース、NV200バネットベースが用意されている。
MYROOMはその名の通りマイルーム=自分の部屋を車内で再現することを目指した仕様だ。装備はベッド、テーブルなどの家具類、展開可能なリアシートなどを備え車内リビングにもフラットなベッドを展開しての車中泊にも使える仕様だ。しかし本格的なキャンピングカーのようにコンロやシンクさらには給排水タンクなどをあえて備えないのもコンセプト。キャンピングカーを目指すのではなく、普段使いのクルマでありながら車中泊やオートキャンプに出かけると本領を発揮するという作りなのが特徴だ。
展示されたキャラバンMYROOMには2種のベッドが用意されている。ひとつが跳ね上げベッド仕様だ。ベッド面が右側のウォールにそっくり跳ね上げ収納できるためベッド展開&収納はまさにワンタッチなのが便利。スピーディに展開できるベッド構造は宿泊スペースに着いたらすぐさまベッド展開、さらに翌朝は撤収してすぐさま移動する異ができ機動力の高さでは抜群の一台となるだろう。
もうひとつのタイプが折り畳みベッド仕様だ。こちらは4枚のパネルを左右の家具に橋渡しして設置するキャンピングカーではスタンダードなスタイル。収納は左右のクォーターパネルにベルト固定できるのもスマート。ベッドパネルは2枚/4枚を個別で設置することも可能でベンチシートとして利用することも可能など、使い方の汎用性が高いのもこの仕様の特徴となっている。
そんなキャラバンMYROOMの共通仕様として注目なのが後席に採用されている2in1シートだ。このクルマのために新たに開発されたシートはかなりのすぐれもの。
シート座面を引き上げる/シートバックを倒すという操作で、前向き乗車/後ろ向きに座ることも可能な対面対座シートとなっている。しかも前向きシートは走行時に用いることから座面を硬めにして走行時に体のホールド性を高める設計。対して後ろ向きに座る場合は車内リビングを利用するシーンなので、ソファのようにゆったりとした座り心地のために座面をソフトに設定する。さらにフルフラットアレンジも可能で後部のベッドとドッキングさせて広大でフラットなベッドを作り出すことができる。またシートは5:5分割で左右が独立してスライドできるので、車内のリビングアレンジはかなり自由度高いのも魅力だ。
キャラバンMYROOMの内装は木の温もりを感じさせるナチュラルテイスト。クルマの中と言うよりも部屋を思わせるのは直線基調で設計された家具やウォール、シーリングの造形によるところが大きい。まさにマイルームを思わせる落ち着いた空間で上質な車中泊を楽しむには絶好のモデルとなった。
◆運転しやすい車格のNV200バネットで
過ごしやすい要素を詰め込んだMYROOMが魅力的
ブースにもう一台展示されていたのがNV200バネットMYROOMだ。こちらはミドルサイズの1BOXであるNV200バネットがベース。コンセプトはキャラバンMYROOMと共通している。車中泊仕様が欲しいが“キャラバンは大きすぎる”というユーザーには絶好、普段使いと週末にキャンプを両立させるにはジャストサイズとなりそうだ。
後部には2枚のベッドパネルを使ったベッドを設置、リアシートにはキャラバンMYROOMで採用された2in1シートを設置。アレンジ次第で対面対座による車内リビングを作ったり、キャビン全体をフルフラットのベッドにアレンジすることも可能(ベッドは全長1840mm×全幅1200mmで大人2名が寝られるサイズ)。コンパクトに見える車体ながら、車内はスクエアな作りもあって想像以上の広さを感じる。ウッドテイストの内装やフラットなベッドで車中泊を快適にできる同車、ミニバンの普段使い/週末キャンプの比率が少しでもキャンプ側に傾くユーザーなら選んで正解の車両だろう。
クルマメーカー純正の車中泊仕様として知名度を上げているMYROOM。キャラバンに加えてNV200バネットのランアップも揃いユーザー層も拡大中だ。本格的なキャンピングカーまではいらないがフラットで広いベッドで快適に車中泊したいと思っているユーザーには安心&高品質なこのシリーズは見逃せないチョイスになる。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。