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トヨタ、世界初の「自動運転タンデムドリフト」に成功
トヨタリサーチインスティテュート(TRI)とスタンフォード大学工学部は7月23日、自動運転研究において世界初となるタンデムドリフトに成功した、と発表した。
両チームは約7年間にわたり、安全な運転を実現するための研究を共同で進めてきた。今回の実験では、モータースポーツの技術であるドリフトを自動化し、さらに2台の車両が連携してドリフトするという新たな挑戦に成功した。ドリフトとは、後輪を滑らせて車両の方向を制御する技術であり、雪や氷上でのスリップからの回復にも応用できる。
自動運転のタンデムドリフトでは、リード車とチェイス車の2台が、互いに数インチの距離を保ちながらコースを走行する。チームは、ニューラルネットワークを用いたタイヤモデルなどの最新技術を駆使して、車両のAIを構築した。
米国では毎年4万以上、世界では約135万の交通事故死が発生している。その多くは、突然の車両制御の喪失が原因。自動運転技術は、ドライバーが適切に反応するための大きな可能性を秘めている。
実験はカリフォルニア州ウィローズのサンダーヒルレースウェイパークで行われ、2台の改造された『GRスープラ』が使用された。リード車のアルゴリズムはTRIが開発し、チェイス車のアルゴリズムはスタンフォード大学が担当した。TRIはリード車の安定した制御メカニズムを開発し、スタンフォード大学はチェイス車がリード車の動きに動的に適応するAIモデルを構築した。
両車両は、ステアリング、スロットル、ブレーキを制御するためのコンピュータとセンサーを搭載しており、リアルタイムで情報を交換する専用のWiFiネットワークを共有している。自動運転タンデムドリフトを実現するために、車両は「非線形モデル予測制御(NMPC)」という技術を用いて、ステアリング、スロットル、ブレーキの指令と予定する軌道を継続的に計画している。
NMPCでは、各車両が物理法則やハードウェアの制約を守りながら、目標を達成するための最適化問題を1秒間に最大50回解決する。AIを活用して過去のテストデータからニューラルネットワークを訓練し、車両は毎回の走行から学習して性能を向上させている。