注目の自動車ニュース

【日産 デイズ 新型】ファーストカーとして軽自動車ならではの充実ADAS機能

  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 中尾真二》
  • 《撮影 中尾真二》
  • 《撮影 中尾真二》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》
  • 《撮影 雪岡直樹》

新型日産『デイズ』は、軽自動車のファーストカーとしての比率、通勤や仕事よりレジャー用途の拡大といった市場動向を受け、パワートレインやパッケージングが見直されている。たとえば、軽自動車にプロパイロットや緊急時自動通報システム(SOSコール)の搭載だ。

日産自動車によれば、同社の軽乗用車のシェアは9%。そして国内の軽乗用車市場は200万台弱の需要で推移しており、この割合は全体市場の3~4割を占める。軽自動車は、国内メーカーにとって押さえなければならないカテゴリーだ。しかも、近年は軽自動車しか持たない層が、普通車(登録車)と軽自動車を所有する層に拮抗してきている。日産自動車調べでは、軽自動車1台または複数所有と普通車等との併有の比率が43:57という。

また、使用用途も通勤・通学を抜き趣味やレジャーのために軽自動車を所有する層が2位になっている(1位は買い物)。セカンドカーとしての軽自動車の時代は終わり、ファーストカーとして買い物、レジャー、通勤などに使う車が軽自動車になりつつある。

◆デイズのADAS機能はほぼ全部入り

ファーストカーとしてのニーズに応えるため、長距離でも安全かつ快適に移動できる軽自動車が必要と、日産はデイズのインテリジェントモビリティ機能を登録車並みに充実させた。

デイズに用意されるADAS機能は、プロパイロット、緊急ブレーキ、踏み間違い防止アシスト、車線逸脱防止アシスト(LI/LDW)、アラウンドビューモニター、ハイビームアシスト、緊急通報システム(SOSコール)だ。このうち、プロパイロットとSOSコール以外は全グレードに標準装備される。なお、『リーフ』にある自動パーキング機能は搭載されていない。

緊急ブレーキ、アラウンドビューモニターはいまや軽自動車でも新車標準装備のひとつとなりつつある。日産の緊急ブレーキの性能は、JNCAPの予防安全評価でもスバル アイサイトに次ぐ得点を取る車種もある。デイズの評価はこれからだが、登録車より物理的に不利な軽自動車こそ、予防安全は力を入れてほしい点だ。全方位モニターの走りともいえるアラウンドビューも当然搭載される。他社が採用しているような前後カメラのワイドビューはないが、センサーを使った移動体検知(歩行者)機能が備わっている。

◆踏み間違い防止アシストは歩行者検知も

踏み間違い衝突防止アシストは、コンパクトカーなどに普及して軽自動車にも採用が進んでいる機能だ。前後の超音波センサー(ソナー)によって障害物を検知し、駐車場などでアクセルの踏み間違いによる暴走を抑止してくれる。

一般的な制御は、アクセルペダルの命令を抑止し加速を抑える。また、ソナーは前だけでバックの踏み間違いは検知できない車種もある。デイズの踏み間違い衝突防止アシストは、前後の障害物検知の他、緊急ブレーキのようにブレーキによる制動もかけてくれる。さらに、フロントカメラも併用するので、移動している歩行者なども検知してくれる。

車線逸脱防止アシストは、LDWとLIの2つの機能に分けられる。LDWは車線逸脱の警報を発してくれるシステム。LIはさらに必要ならブレーキの4輪独立制御によってヨーモーメントを発生させる回避アシストが入る。自動ブレーキやステアリング介入などは入らない。プロパイロットと併用すれば効果は高まるだろう。

エアバッグは、運転席、助手席に加えてサイドのカーテンエアバッグも標準装備だ。

◆緊急時の自動通報とオペレータサービス

SOSコールは日産としても初の搭載となる。EUではエアバッグが開くような衝撃で自動的に緊急通報と位置情報を送る自動eCallが義務化されているが、それとほぼ同等な機能だ。国内でも、保険会社が提供するGPS端末に同様な機能がついていたり、国産高級車には設定がある。

デイズのSOSコールは、事故発生時に自動的に緊急対応センターのオペレーターに通報を送る。位置情報や衝突時の車両データ(車速データや加速度センサーの情報)から、事故状況を類推、把握し、出動要請など必要な対応を行ってくれる。通報は、エアバッグ作動時に自動的に行われるパターンと車内の操作スイッチによって手動で行うパターンがある。

オペレーターは、民間の緊急通報サービスHELPNETを利用する。オペレーターとの対話も可能だ。当然24時間365日対応。HELPNETはトヨタも利用しているサービスだ。通信のためNissanConnectのサービス契約が必要となるが、通信モジュールは別系統となっているため緊急時の信頼性も高い。

◆軽自動車も電動パーキングブレーキと電動ステアリングアシストを

以上のように、デイズのADAS機能、コネクテッド機能は登録車の機能に匹敵する装備といえる。動体センシング可能な踏み間違い衝突防止アシストやプロパイロット、LI/LDWは、だれもが運転する軽自動車こそ優先して取り付けるべき機能だ。それをほとんど標準装備としたことは評価できる。

ただ、惜しむらくはプロパイロットが全車種標準装備にならなかったことだ。標準グレードにプロパイロットが装備できないのは、電動パーキングブレーキや電動ステアリングアシストなど、ブレーキとステアリングのコンポーネントが専用になるためだ。当然、コストに跳ね返ってくる。

登録車でも設定グレードが限られるのでやむを得ないのを承知でいうが、デイズにここまでADAS装備を載せるなら、プロパイロットも全車種装備してほしかった。