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ポルシェ 911 初のハイブリッド、電動ターボで541馬力…「カレラGTS」改良新型に搭載
ポルシェは5月28日、スポーツカー「911」シリーズ初のハイブリッド「T-ハイブリッド」を、改良新型『911カレラGTS』に搭載すると発表した。
軽量でパワフルなT-ハイブリッドシステムには、新開発の電動ターボチャージャーが搭載されている。コンプレッサーとタービンホイールの間に組み込まれた電気モーターが、瞬時にターボチャージャーの速度を上げる。これにより、ブースト圧が即座に上昇。ターボチャージャーの電気モーターはジェネレーターとしても機能し、最大15psの電力を発生する。排ガスの流れからこのエネルギーが取り出される。ウエイストゲートのない電動ターボチャージャーは、従来の2つのターボチャージャーに代わって1つのターボチャージャーのみでの使用を可能にし、よりダイナミックで応答性の高いパワー供給を実現するという。
パワートレインには、よりパワフルな新しい8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)に組み込まれた永久磁石同期モーターも含まれている。アイドル回転数でも最大150Nmの駆動トルクで水平対向エンジンをサポートし、最大40kWの出力向上を実現する。ポルシェは両方の電気モーターを軽量でコンパクトな高電圧バッテリーに接続している。サイズと重量は従来の12Vスターターバッテリーに相当するが、最大1.9 kWhのエネルギーを蓄え、400Vの電圧で作動する。総重量を最適化するため、ポルシェは12V車載電気システム用に軽量リチウムイオンバッテリーを搭載した。
T-ハイブリッドドライブの心臓部は、新開発の3.6リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンだ。高電圧システムにより、エアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能になり、その結果ベルト駆動が省略されるため、エンジンが大幅にコンパクトになった。これにより、電源ユニットの上部にパルスインバーターとDC-DCコンバーター用のスペースが生まれる。ボアは97mm、ストロークは81mmに拡大され、従来に比べて排気量は0.6リッター増加した。エンジンにはバリオカムカムシャフトコントロールとロッカーアーム付バルブコントロールが装備されている。マップ全体にわたって燃料と空気の理想的な混合比(ラムダ = 1)を維持する。
電動アシストなしでも、この水平対向エンジンは485psの出力と570Nmのトルクを発生する。システムの合計出力は541ps、合計トルクは610Nmとなり、従来と比較した出力増加は61psだ。改良新型の911カレラGTSは、静止状態から100km/hまでの加速タイムでも従来型を上回る。この効率的なパフォーマンスハイブリッドは、非常にダイナミックな走行特性を実現すると同時に、プラグインハイブリッド車(PHEV)と比較して余分な重量を大幅に減らしてCO2排出量を削減する。また、従来モデルからの重量増加は50kgに抑えている。