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WRCドライバー監修の特別な『進化型GRヤリス』限定販売へ、成約特典にレース車両への名前掲示も
1月12日に開催された「東京オートサロン2024」で世界初公開となったトヨタGAZOOレーシングの『進化型GRヤリス』。そこで予告されていた、WRCドライバー監修による特別仕様車2台が、25日に開幕したFIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦 ラリー・モンテカルロで発表された。2024年春頃に抽選申込を開始し、それぞれ100台の台数限定で発売を予定している。価格は未発表。
◆オジエ、ロバンペラ、両選手監修の特別な2台
発表された2台の特別仕様車は、『GRヤリス RZ“High performance・Sébastien Ogier Edition(オジエ・エディション)』と、『GRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanperä Edition(ロバンペラ・エディション)』。その名の通り、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team所属選手であり、これまで計8回ドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・オジエ選手、2022・2023年連続でドライバーズタイトルを獲得したカッレ・ロバンペラ選手が監修した特別なGRヤリスだ。昨年の「東京オートサロン2023」ではそのコンセプトモデルが公開されていた。それから約1年、進化型GRヤリスをベースに待望の登場となった。
進化型GRヤリスは、『GRカローラ』に搭載される1.6リットルターボエンジンや、新開発の8速AT「GR-DAT」の採用、ドライブモードセレクトの採用などで車両性能を総合的に向上。エクステリアも刷新したほか、専用コックピットを新たに採用することで、モータースポーツでの使い勝手やパフォーマンスを向上させている。
特別仕様車は進化型GRヤリスの「RZ」(6速MT車)をベースに“High performance”の装備や、各ドライバーの個性に応じた専用の内外装装備を追加している。制御面では、専用の新たな四駆制御モードを開発。標準車両の「GRAVEL」「TRACK」と置き換える形で、オジエ・エディション、ロバンペラ・エディションそれぞれのモードを設定した。
◆走り、装備にそれぞれの個性あふれる
オジエ・エディションでは、「MORIZOモード」と「SEB.モード」を追加。「MORIZOモード」は、トラクション性能と旋回性能を高い次元で両立させるため、加速時は前後輪の拘束力を最大(直結)とし、制動時は必要分だけ拘束を緩める仕様。モリゾウことトヨタの豊田章男会長が走り込んで導き出した駆動力配分をオジエ選手が気に入り採用に至ったという。「SEB.モード」は、前輪の旋回性を確保しながら、後輪の駆動力による車両コントロールを可能にするため、 後輪よりの前後駆動力配分とした仕様。車両との一体感を味わえるほか、高速で車体をコントロールすることにより、タイム短縮に寄与する。
ロバンペラ・エディションは、「DONUTモード」と「KALLEモード」を追加。「DONUTモード」は、ドリフト走行やドーナツターンが得意なロバンペラ選手のため、前後輪の拘束力を最大(直結)とし、ドリフト走行時のスライドコントロール性を確保した。「KALLEモード」は、追加装着した等速リヤディファレンシャルを最大限活かす制御により、リニアな挙動特性を実現。コーナー進入でリヤを積極的に振り出し、脱出時にはアクセルでフロントを引っ張るような運転が可能となり、タイム短縮に寄与する。
このほかにも、オジエ・エディションには新開発のCFRP製軽量ラリースポイラーを採用したほか、ボディカラーは新たなマットカラー「マットステルスグレー」とした。ロバンペラ・エディションには『GRMNヤリス』と同じ可変式のCFRP製リヤスポイラーを採用したほか、ロバンペラ選手が競技参戦時に使用するヘルメットデザイナーによるデザインの三色塗装が施されている。ステアリングホイールのステッチ色が各選手の出身国の国旗の色に合わせ変更されたり、WRCチャンピオン獲得を記念した専用プレートを装着するなど、細かい部分にも特別感があふれるモデルとなっている。
◆WRC参戦マシンへの名前の掲示など、成約特典が満載
また成約者には、2024年WRCラリージャパン会場でのドライバーやチームとのコミュニケーション、WRCマシンやピット見学、SSでの観戦のほか、WRC参戦マシンへの名前の掲示、特別記念品の贈呈などの特典も用意される。両選手のファンだけでなく、WRCファンにとっても魅力的なモデルとなっている。
抽選開始に先駆け、2月15~18日に名古屋駅JRゲートタワー前広場において両モデルの展示が予定されている。実車をチェックする貴重な機会となる。