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4輪をクローラー化、日産『エクストレイル』が山岳救助車両に…「e-4ORCE」搭載

  • 《photo by Nissan》
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日産自動車の欧州部門は1月16日、SUV『エクストレイル』をベースにした山岳救助車両、『エクストレイル・マウンテン・レスキュー』(Nissan X-Trail Mountain Rescue)を発表した。

エクストレイル・マウンテン・レスキューでは、4輪をクローラーに交換し、滑りやすいゲレンデでも確実なトラクションが得られるようにした。負傷したスキーヤーを最寄りの医療施設に搬送するためのストレッチャーと医療用の器具を搭載できるように、助手席とその後ろ側の後席を取り外した。医療従事者は運転席の後方で、後ろ向きに着座する。

また、特注のルーフラックが追加され、担架とスノーショベルを積載できるようにした。ルーフにはサイレン、フラッシュライトバー、強力なライトが埋め込まれ、ボンネットにもライトが装備されている。フロントとリアのフェンダーは拡幅され、フロントバンパーにはウインチを組み込んだ。フロントとリアのバンパーには、強化された牽引フックを追加。車高は230mm引き上げられており、乗降を容易にするフットボードがサイドに装備されている。

エクストレイル・マウンテン・レスキューには、ツインモーターの電動4WDシステム「e-4ORCE」を搭載する。前後2つの高出力モーターとブレーキの統合制御により、駆動力を自在にコントロールする電動駆動4輪制御システムだ。このシステムでは、グリップレベルの変化に1万分の1秒という既存の4WDシステムの約1000倍の速さで反応。利用可能なグリップに応じて、4輪へのパワー配分を個別に調整する。

エクストレイル・マウンテン・レスキューは、「Ride Responsibly」を掲げ、欧州の5つのスキーリゾートで実施される安全キャンペーンを支援している。日産はゲレンデでの衝突のリスクを減らすため、危険な場所ではスピードを落とすようスキーヤーやスノーボーダーに促すデジタル標識を設置し、ゲレンデでのマナー向上を呼びかける。この標識は、近づいてくるスキーヤーやスノーボーダーの速度をモニターし、安全な速度で近づいてくる人には「Thank You」、速度超過と判断された人には「Slow Down」と表示する。なお、エクストレイル・マウンテン・レスキューは、イタリアの人気スキーリゾート、チェルビニアのガラスボックスに展示される、としている。