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元横綱白鵬・宮城野がまさかの現役復帰?!…センチュリー パレードカー 登場で

  • 《写真提供 トヨタ自動車》
  • 《写真撮影 高木啓》
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  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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大相撲本場所の幕内優勝力士はオープンカーに乗って祝勝パレードを行なう。トヨタ自動車は2023年9月に発表した新型『センチュリー』をベースにパレードカーを制作、1月13日に両国国技館(東京都墨田区)でお披露目した。日本の最高級車のSUVボディをオープンカーにしたことが特筆される。

◆力士として最高の名誉
新型パレードカーは、2025年の大相撲100周年を記念して製作され、日本相撲協会が優勝力士パレードのパレードカーに使用することになる。トヨタ自動車は2023年1月より日本相撲協会のサステナビリティパートナー契約を締結している。

お披露目式には日本相撲協会の芝田山康理事(元横綱大乃国)、宮城野翔委員(元横綱白鵬)、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役会長が登壇した。

芝田山親方は現役当時に優勝パレードの経験がある。「最高の気持ち。パレードカーに乗るのは夢のまた夢だ。(相撲部屋は国技館付近に多いが)杉並に部屋があったのでパレードの距離が長い。高速道路をオープンカーで走って、周りの車に見られて、忘れられない経験だ。力士としては最高の名誉」と思い出を語る。

◆新型センチュリーは宮城野親方のチョイス
豊田会長によると、センチュリーをパレードカーに採用したのは宮城野親方の提案だ。「最初は『クラウン』をベースに用意していたが、宮城野親方が『センチュリーじゃないの?』と。新型車として登場したその年にオープンカーとして1台を作り上げるのは難しい。トヨタ自動車の社員は頑張ってくれた」と明かす。

宮城野親方は「名古屋場所での優勝パレードの車が、なぜ地元企業のトヨタ車じゃないのか。トヨタ車ならクラウンじゃなくてセンチュリー、トヨタで最高の車だから」と語る。話の発端は一昨年のファンイベントでのファンと力士とのオープンカー同乗企画だったという。豊田会長は「ならば新型センチュリーで用意しよう」ということになった。宮城野親方は、その時点でSUVボディの新型センチュリーがまもなく登場することは知っていたようだ。

宮城野親方が新しいパレードカーを見て「もう乗れないのが残念。現役復帰する」と感想を述べると、芝田山親方も「もう一回まわしを締めたい。おたがい右四つ」と、2人の元横綱から現役復帰&優勝争い宣言!

◆後援会長も乗れる室内幅を
量産型センチュリーの開発をまとめた田中義和チーフエンジニア(Mid-size Vehicle Company、MS製品企画部長代行、ZS主査)は、今回の改造も監督した。苦労したのはリアエンドだという。「ラゲージはSUVボディにはない部分だから。デザイナーはセダンをオープンカーにしたようなイメージで造形した。これは『継承と進化』という新型センチュリーの開発テーマにもマッチする」。

宮城野親方からのアドバイスとして周囲から見た時の写真映えをあげる。「従来のパレードカーではセイフティバー(手すり)が後席の後ろについているのだが、これは不要だと。使わないし、なくても後ろに不安はないと言われたので設けなかった。新型センチュリーをベースにしたことで、横から見た時のボディの厚みと力士とのバランスがいい」。

また後席の室内幅について田中チーフエンジニアは、宮城野親方の意見がなければ意識しなかった、と打ち明ける。「車体後半はまるっきり改造するので改造の余地が大きい。力士2人と後援会の人1人が座れる幅を確保した。従来のパレードカーは後援者が座れなかった。後席にシートはなくフラットになっており、パレードでベストな位置に座れる」。外から見てたたんだ幌のように見える部分が、実は後席の背もたれにあたり、フロアが嵩上げされている。

◆あのときチラ見せしていた
メカニズムでは「沈み込まないようサスペンションをチューンした。ルーフがないので車体各部を補強している。ロッカーを補強したので量産仕様に設定されているステップはない。ルーフと座席の撤去と、補強分とで、重さの増減は相殺されており総重量はほぼ変わっていない」と田中チーフエンジニアはいう。

改造コストは非公開、制作期間は約1年。実は新型センチュリーのワールドプレミア時の映像に3秒ほど写っているそうだ。

芝田山親方は「日本最高の車。新型パレードカーの登場で、幕内力士はみんな『よーし』と思ってる」と、優勝争いが盛り上がることを期待する。初場所千秋楽は1月28日だ。