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ルノーから「エアロバン」登場、EVは空力効果で航続410kmに…『マスター』新型
ルノーグループ(Renault Group)は11月21日、大型商用バンのルノー『マスター』の新型を、フランスで開幕した商用モビリティショー「SOLUTRANS 2023」で初公開した。
マスターは、『カングー』の兄貴分にあたる大型商用車だ。1980年以来、300万台以上を販売してきたルノー商用車の主力モデルのひとつ。新型は、より効率的で、100%コネクテッドで革新的な新世代バンとして登場した。
新型マスターは、空力性能を追求した「エアロバン」形状のボディが特長だ。ボンネットは短く、ウィンドスクリーンは前方に傾斜している。ウィングミラー、バンパー内の吸気ダクト、ルーフラインの傾斜は最適化され、リアは絞り込まれた。また、シャープなエアロダイナミクスにより、コックピット内の静粛性も向上している。
ルノーが通常使用する風洞施設では車両が大きすぎるため、83%にスケールダウンしたモデルを使用して空力テストが行われた。その後、航空機のエアロダイナミクスを評価するために作られたトンネルで、実物大モデルがテストされた。このような開発工程により、エアロダイナミクス性能が向上した。新型の内燃エンジン車のCO2排出量は39g/km削減され、200g/kmを切った。
EVバージョンは2仕様を設定する。ひとつは、最大出力130hp、最大トルク30.6kgmのモーターを搭載し、蓄電容量40kWhのバッテリーを組み合わせる。1回の充電での航続は、最大180km(WLTPサイクル)とした。
もうひとつは、最大出力143hp、最大トルク30.6kgmのモーターを積み、蓄電容量87kWhのバッテリーを搭載する。1回の充電での航続は、最大410km(WLTPサイクル)に到達する。現行マスターに対して、航続は2割拡大している。
消費電力は、最新のバッテリー熱管理システムにより、87kWhの大容量バッテリー搭載車でも、100km走行あたり21kWh (WLTPサイクル)に抑えた。バッテリーの充電は、出力22kWのACチャージャーで、およそ4時間。出力130kWのDC急速充電では、30分で229kmの航続分のバッテリー容量を充電できる。