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アウディ TT 生産終了、25年の歴史に幕…最後の1台は保存車両に

  • 《photo by Audi》
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アウディ(Audi)は11月13日、スポーツカー『TT』の生産を終了した、と発表した。最後の『TTクーペ』は、アウディの「トラディション・コレクション」に収蔵される予定だ。

アウディ1998年、ハンガリー・ジェール工場でTTクーペの量産を開始した。今年で25周年を迎えるこのモデルは、ジェール工場でのみ生産されてきた。この25年間で、TTクーペと『TTロードスター』の合計66万2000台が、ジェール工場からラインオフした。

アウディは1995年9月、フランクフルトモーターショー1995において、スタディモデルのTTクーペを発表した。このTTクーペが、その当時のアウディのネーミングのルールを意図的に採用しなかったことは、このモデルの斬新さを強調することが狙いだったという。

1995年12月、アウディはTTクーペの量産化を決定し、1998年に量産を開始した。スタディモデルから市販モデルへの移行に際して、デザイン面で最も大きな変更となったのが、リアサイドウィンドウが設定されたこと。これにより、見た目の印象が長くなり、スポーツカーとしてダイナミックに見えるようになったという。

初代TTクーペの独自のシルエットを形成しているもうひとつのデザイン要素が、「円」だ。内外装のデザインには、数多くの円形の要素が採用されている。「バウハウス」にヒントを得たTTのすべてのラインには目的があり、すべての形状には機能があるという。初代TTはクーペとロードスターを合わせて、約27万台を生産している。

軽量化が施された第3世代の現行型TTは、2014年に発売された。「2.0TFSI」エンジンとマニュアルトランスミッションを搭載したTTクーペの重量は1230kgで、先代よりも最大50kg軽量化された。3代目の開発にあたりデザイナーは、1998年に登場した初代TTの特長的なラインを現代的に再解釈した。典型的な丸い燃料タンクキャップは、世代を超えて受け継がれた。現行型では、数多くの詳細なプロフィールも、初代のクラシックなデザインを意図的に想起させるように開発された。技術的に第3世代のTTは、いくつかの革新をもたらした、と自負する。

例えば、現行型では、アナログメーターと「MMI」モニターに代わり、多用途なディスプレイを備えたフルデジタルメーター、「アウディバーチャルコックピット」を初めて採用した。また、2016年に発売された現行TT RSのテールライトには、「OLED(有機発光ダイオード)」を初めて採用している。

エンジンラインナップも、発売当初の最上位モデルとして、最大出力310psの2.0リットルターボエンジンを搭載した「TTS」から始まり、2016年には2.5リットル5気筒ターボエンジンを搭載した「TT RS」が設定された。最大出力400psを発揮するこのエンジンは、スポーティなサウンドが特長だ。