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ジープの大型SUV『ワゴニア』、V8廃止で直6ツインターボに1本化
ジープは11月16日、大型SUV『ワゴニア』(Jeep Wagoneer)の2024年モデルを米国で発表した。パワートレインはV8を廃止し、直6に1本化している。
現行ワゴニアは2021年に発表された。ジープがおよそ30年ぶりに復活させた大型SUVだ。その2024年モデルでは、5.7リットルV8を廃止。ジープが属するステランティスが開発した3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジン「ハリケーン」にパワートレインを1本化する。
ハリケーンは、排出ガスを削減し、燃費を向上させながら、よりパワフルなエンジンとなっているのが特長だ。スムーズに回る直列6気筒エンジンに、最新のツインターボテクノロジーを組み合わせている。ハリケーンは、大排気量エンジンよりも優れた燃費と排出ガスの削減を実現すると同時に、競合他社のエンジンよりも多くのパワーとトルクを生み出す、と自負する。
ハリケーンには、2つの仕様が用意されており、ワゴニアには標準バージョンを積む。ピークブースト圧が22psiとなり、最大出力は420hp、最大トルクは64.7kgmを引き出す。ハリケーンエンジンは、2350rpmからレッドゾーンまで、ピークトルクの90%以上を引き出し続ける特性とした。ワイドかつフラットなトルクバンドが力強い走りを可能にしているという。また、ハリケーンの直列6気筒は、ボア、ストローク、シリンダー間隔などの設計を、2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンと共有している。
ハリケーンでは、排ガス再循環システム(EGR)などにより、燃費性能を追求している。大排気量エンジンよりも最大15%燃費を改善しつつ、V型8気筒ガソリンエンジンに匹敵する性能を実現しているという。ハリケーンの基盤は、構造用アルミ製オイルパンを備えたアルミ製エンジンブロックだ。クロスボルト鋼のメインベアリングキャップには、鍛鋼クランクシャフトと鍛鋼コネクティングロッドが組み込まれる。
低慣性かつ大容量の2個のターボチャージャーが、スロットル入力に迅速に応答するために、それぞれが直6エンジンのうちの3気筒を受け持つ。また、シリンダーボアのプラズマトランスファーワイヤーアーク(PTWA)コーティングにより、薄型で低摩擦を実現している。専用のチェーン駆動シャフトによって作動するポンプは、標準版がシングル。これにより、350バールの高圧での直接燃料噴射を可能にした。エンジンはDOHCで、広範囲で完全に独立した可変バルブタイミング機構を備える。エンジンの再始動を迅速に行うために、強固なスターターモーターを備えた省燃費のエンジンストップスタート(ESS)機能が採用されている。