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VW『ID.4』と『ID.5』、航続が556kmに拡大
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は10月10日、電動SUV『ID.4』と、電動SUVクーペ『ID.5』の改良モデルを欧州で発表した。
◆12.9インチに拡大された新しいインフォテインメントシステム
改良モデルでは、コックピットを変更した。ここで重視されたのは、直感的な操作性だ。このような背景から、ID.4とID.5の改良モデルには、より高速でより多くの機能を実現する最新世代のソフトウェアが搭載されている。
さらに、両モデルとも、画面サイズが12.9インチに拡大された新しいインフォテインメントシステムを標準装備した。このインフォテインメントシステムは、新しいメニュー構成を採用しており、標準のデジタルコックピットとオプションのAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイもアップデートされている。
また、エアコンと音量コントロールのタッチスライダーは照明付きになって、利便性が増した。新しい操作ロジックを導入したマルチファンクションステアリングホイールも装備している。
◆新しい音声アシスタント「IDA」
さらにフォルクスワーゲンは、ドライビングモードセレクターをデジタルコックピットから移設し、大型EVセダンの『ID.7』のようにステアリングコラムスイッチとして配置した。これにより、大型のインフォテイメントディスプレイのためのスペースが確保された。
ID.4とID.5の改良モデルのさまざまな操作は、新しい音声アシスタント「IDA」によって、より簡単になった、と自負する。この音声アシスタントは、自然な音声コマンドに従来よりも正確に反応し、クラウドベースの天気情報やスポーツイベント、株式市場の状況など、新しい機能を利用できる。
フォルクスワーゲンはまた、480ワットの出力と10スピーカー(センタースピーカーとサブウーファーを含む)を備えたHarman Kardon製の新しいプレミアムサウンドシステムをオプションとして用意している。
◆後輪駆動モデルのモーターは286psに強化
ID.4とID.5の改良モデルでは、正味蓄電容量77kWhのバッテリーを搭載したモデルのEVパワートレインの高効率化が図られた。リアアクスルに搭載された新しい電気モーターと新世代バッテリーのおかげで、エネルギー消費を削減すると同時に、パワーを向上させることが可能になったという。
後輪駆動モデルの「ID.4 Pro」グレードと「ID.5 Pro」グレードには、最大出力286psの電気モーターが採用されており、これは従来モデルよりも約82psのパワーアップにあたる。新しいモーターのトルクは、31.6kgmから55.6kgmに向上し、あらゆる状況において、よりダイナミックなパワーデリバリーを実現する、と自負する。この24kgmのトルクの増加は、従来モデルに対して約75%増に相当するという。
また、新しいリアアクスルのモーターとフロントアクスルのモーターにより、全輪駆動の「ID.4 Pro 4MOTION」グレードのシステム出力は286psとなり、従来よりも21ps向上している。
◆充電性能も向上し充電時間を短縮
新しい77kWhバッテリーを搭載するID.4とID.5の全モデルで航続が伸びた。ID.4 Proの航続は550km(WLTP複合サイクル)で、従来モデルより17km伸びている。ID.5 Proの航続は最大556km(WLTP複合サイクル)で、従来よりも11km増加した。
ID.4とID.5の後輪駆動モデルは、出力135kWで充電できる。全輪駆動モデルでは、直流充電出力が135kWから175kWに増加した。これにより、10分程度で178kmの航続に必要なバッテリー容量を充電できる。蓄電容量52kWhのバッテリーを搭載するベースグレードの「ID.4 Pure」の充電出力は、110kWから115kWに強化されている。