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メルセデスベンツ GLC クーペ 新型、ディーゼルPHEVはトルク76.5kgm…欧州受注開始へ
メルセデスベンツは6月22日、SUVクーペの『GLCクーペ』(Mercedes Benz GLC Coupe)の新型に、ディーゼルエンジンのプラグインハイブリッド車(PHEV)を設定し7月、欧州で受注を開始すると発表した。
◆PHEVシステム全体のパワーは335hp
新型GLCクーペには、第4世代のPHEVシステムを搭載する。ディーゼルエンジン搭載のPHEVが、「GLC 300 de 4MATICクーペ」グレードだ。トランスミッションは9速ATの「9Gトロニック」で、モーターと一体設計されている。
ディーゼルのGLC 300 de 4MATICクーペは、直噴2.0リットル(1993cc)の直列4気筒ディーゼルターボエンジンが、最大出力197hp/3600rpm、最大トルク44.9kgm/1800~2800rpmを発生する。
モーターは、最大出力136hp、最大トルク44.9kgmで、システム全体では、335hpのパワーと76.5kgmのトルクを獲得する。動力性能は、0~100km/h加速6.4秒、最高速219km/hとなる。
◆EVモードの航続は最大130km
二次電池には、蓄電容量を従来型の13.5kWhから31.2kWhに倍増させた自社開発のリチウムイオンバッテリーを積む。EVモードの航続は、ディーゼル仕様が最大130km(WLTPサイクル)とした。
EVモードの航続は、従来型の最大49kmから約2.7倍に増えた。その効果もあり、CO2排出量は10g/kmと、環境性能を向上させている。EVモードの最高速は140km/hとした。
EVモードの航続が100km以上に拡大したおかげで、日常の移動はEVモードでカバーすることができる。最新のハイブリッド走行プログラムは、ルート上の最も適切な場所でEVモードに切り替わる。たとえば、都市部での移動では、EVモードが優先される。
◆「バッテリーホールド」モードは充電状態を維持することを優先
車両の減速時の運動エネルギーによって生成された電気は、高電圧バッテリーに蓄えられ、モーターの駆動に利用できる。エネルギー回収率を引き上げたいドライバーは、ステアリングホイールのスイッチによって、3段階でエネルギー回収率を変更できる。これは、「SPORT」を除くすべての走行モードで可能。たとえば、Dモードでは、ドライバーはワンペダル感覚を体験できる。ドライバーがアクセルペダルから足を離すと、車両は電気的に減速する。
2種類の走行モードにより、ドライバーはPHEVシステムの効率を高めることができる。「バッテリーホールド」モードでは、バッテリーの充電状態を維持することが優先される。PHEVシステムは、運転状況と走行距離に応じて、適切なモードを選択する。
バッテリーは、オプションの出力60kWのDC急速充電器を利用すると、およそ30分でフル充電できる。自宅のウォールボックスでの3相AC充電には、標準装備の出力11kWの充電器が利用できる。標準装備される充電ケーブルは、荷室フロア下のコンパートメントに収納できる。バッテリーには冷却装置が付いており、熱管理システムは、車内のエアコン制御に関係なく、動作温度をコントロールする。高温、低温での連続動作に加えて、直流での急速充電も可能にしている。
◆最新の「MBUX」インフォテインメントシステム
インテリアは、シートアレンジによって変わるスペースや、多彩な機能の「MBUX」インフォテインメントシステムの最新版を採用した。MBUXは、2つのワイドディスプレイとフルスクリーンナビゲーションを標準装備した最新世代のインフォテインメントシステムだ。
ダッシュボードの上側はウイングのようなデザインで、航空機のエンジンナセルを連想させる丸いノズルが付く。ダッシュボードの下側には、湾曲したセンターコンソールに合わせて、ワイドなトリムエリアがあしらわれた。
ドライバーの正面には、12.3インチの高解像度LCDディスプレイをレイアウトし、浮いているように見えるデザインとした。ダッシュボード中央には、11.9インチディスプレイを配置。こちらも、浮いているように見えるデザインとした。ダッシュボードと同様、ディスプレイはドライバーに向かってわずかに傾斜している。