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メルセデスベンツ『EQS SUV』発売、価格は1542万円より…航続距離は最大593km

メルセデス・ベンツ日本は5月29日、3列シートのフルサイズ電動SUV『EQS SUV』の販売を開始した。価格は「EQS 450 4マチック SUV」が1542万円、「EQS 580 4マチック SUV スポーツ」が1999万円。

EQS SUVは、大人7人が快適に過ごせる高い質感の室内空間に、SUVならではの使い勝手の良さを加えたフルサイズ電動SUVだ。ボディサイズは全長5130-5135mm、全幅2035mm、全高1680mm、ホイールベースは3210mm。メルセデス・ベンツ初のEV専用プラットフォームに2つの永久磁石モーターを備えた4輪駆動システムを搭載。不整地や滑りやすい路面を走る際に活躍するオフロードモードも標準装備する。また、EVならではのパッケージの有用性を活かしたエクステリアデザインは美しさとともに優れた空力性能も兼ね備える。

◆エアロダイナミクスに優れたシームレスデザイン
エクステリアデザインは、ゆったりとした面の構成、継ぎ目の少なさ、そしてシームレスデザインといった「Sensual Purity(センシュアルピュリティ:官能的純粋)」の思想を反映している。フロントフェイスはEQモデル共通の「ブラックパネル」を採用。立体的なスリーポインテッドスターを中央に配置するとともにライトバンド(光の帯)を設け、メルセデスEQモデルであることを強調している。

サイドビューは、丸みを帯びたフロントエンドから立ち上がり、緩やかな傾斜を持つAピラーとルーフの輪郭を躍動的に流れ、ブラックのリアスポイラーへ至る。Cピラーは後方に配置し、室内空間の広さを示唆。サイドウインドウまわりには、立体的なクロームストリップをあしらっている。ホイールは大径20~21インチを装着。ドアミラーは、エアロダイナミクスとエアロアコースティスク(空気音響学特性)を高める観点からドアパネル部分に配置。格納式のシームレスドアハンドルを標準装備する。

LEDリアコンビネーションランプの内部は曲線的な螺旋構造で立体感を演出。フロント同様、リアにも連続したライトバンドを設け、EQモデルであることを強調している。リアバンパーは、ホイールアーチライナーからブラックの色が下側部分へと連続して流れ込むデザインで、その下には、ディフューザールックの上質なクロームがあしらわれ、アンダーボディには、エアロダイナミクスを最適化したスポイラーリップを備える。

◆ダッシュボード全面に広がるMBUXハイパースクリーン
インテリアは専用のトリムや繊細なLED照明によって華やかさが添えられ、エレガントなカラーリングと相まって品位のある空間を創造している。ひときわ目を引くMBUXハイパースクリーンは、3枚の高精細パネル(コックピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、有機ELフロントディスプレイ[助手席])とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成。グラフィックはすべてブルーのカラーテーマでデザインし、2つの円形メーターを映し出すクラシックなスタイルを採用する。走行に関係するインフォメーションは2つのメーターの間に表示。ディスプレイの表示は7つのスタイルからカスタマイズできる。

2列目シートは、前後130mmの電動スライド機能に加え、バックレストにも電動リクライニング機能を備える。ラゲッジルームは2列目シートより後ろで645リットルから最大880リットルまで無段階に拡張可能。乗員5人の場合でもゴルフバッグを4つまで積み込める。また、2列目シートを倒せば最大2100リットル。7座席すべてを使用する場合でも、3列目シート後方に195リットルのスペースを確保する。

◆航続距離593km、日本仕様は外部給電にも対応
EQS SUVは前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用する。ACモーターのローター(回転子)に永久磁石が取り付けられているため、ローターには通電不要。電気モーターは三相の巻線を2つ備える六相式を採用し、強力なパワーを発揮する。最高出力/最大トルクはEQS 450が360ps/800Nm、EQS 580が544ps/858Nm。107.8kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、航続可能距離は593km(EQS 580は589km)を達成する。

4マチックでは、トルクシフト機能によってフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの緻密な連続可変配分を実施。前後輪に必要な駆動トルクを毎分1万回の頻度でチェックし、必要に応じて前後の駆動力配分を最適化する。

また、日本仕様の特別な機能として、EQS SUVから車外へ電力を供給できる双方向充電が可能。家庭の太陽光発電システムで発電した電気の貯蔵装置となるほか、停電した場合などに、電気を家庭に送る予備電源としても利用できる。

◆滑りやすい路面も安心、オフロードモードを標準装備
サスペンションはフロントに4リンク式、リアにマルチリンク式を採用。また、連続可変ダンピングシステムとエアサスペンションを組み合わせた「エアマチック」を標準装備する。また、フルサイズSUVをコンパクトカー並みに扱うことができるリアアクスルステアリングを装備する。

パワートレインやESP、サスペンション、ステアリングの特性を変更できるダイナミックセレクトは、「コンフォート」「スポーツ」「エコ」「インディビジュアル」に加え。「オフロード」を用意する。アクセルペダルの特性曲線をフラットにするとともに、時速60km/hまではボタン操作で車高を25mm上昇可能。オフロードでの走破性を高める。