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VW初のEVセダン『ID.7』、高性能版「GTX」登場へ…9月発表予定
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は5月11日、新型EVセダンの『ID.7』の高性能モデルの『ID.7 GTX』を、9月にドイツで開催される「IAAモビリティ2023」でワールドプレミアすると発表した。
◆『ID.4』と『ID.5』に続く第3の「GTX」に
フォルクスワーゲンによると、「GTX」はパフォーマンスとデザインを重視し、「GTI」やプラグインハイブリッド車(PHEV)の「GTE」と並んで、フォルクスワーゲンのEVのトップパフォーマンスモデルに位置付けられるという。GTXはすでに、電動SUVの『ID.4』、電動SUVクーペの『ID.5』に用意されている。ID.7は、GTXバージョンを設定する3番目のモデルになる。
GTX第一弾の『ID.4 GTX』では、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台「MEB」をベースに、デュアルモーター4WDを搭載した。ID.4 GTXには、ベース車両のID. 4のリアアクスルのモーターに加えて、フロントアクスルにもモーターを搭載する。デュアルモーターは合計で、299hpのパワーを引き出す。
駆動方式は、ID.シリーズ初の4WD。299hpのデュアルモーターとインテリジェントに制御されたAWDの組み合わせにより、ID.4 GTXは、0~100km/h加速6.2秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、180km/hに制限された。フロントのモーターは、強力なトラクションが必要な場合などに、瞬時に作動する。走行モードの「トラクション」を選択した場合、常時AWDになる。
◆GTXモデルに共通するブラックとレッドを使用
ベース車両のID.7は、ID.シリーズ初のセダンだ。アッパーミッドサイズクラスに属するフルEVのセダンとして発表された。このID.7の最もダイナミックなモデルバリエーションとして、ID.7 GTXが9月、ワールドプレミアされる予定だ。
ID.7 GTXには、ID.シリーズの最新世代のデュアルモーターAWDシステムを搭載する。スポーティなデザイン要素を盛り込んだ長距離走行可能なセダンは、ハイパフォーマンスモデルとして登場する。
ID.7 GTXにも、GTXに共通するブラックとレッドを使用する。インテリアでは、シート、ダッシュパネル、ドアに施された赤いGTXコントラストステッチなどのディテールが、スポーティさを強調する。エクステリアのデザインでは、ブラックのグロスエレメントが特長。標準装備のブラックルーフやダークウィンドウと合わせて、ID.7 GTXもパワフルで個性的なエクステリアを楽しむことができるという。
◆車両をトータル制御する「ビークルダイナミクスマネージャー」
ID.7 GTXでは、既存のGTXモデルのID.4 GTXとID.5 GTXと同様に、「ビークルダイナミクスマネージャー」がデュアルモーターAWDシステムのインテリジェント制御を担当する。フォルクスワーゲンが自社開発したこのソフトウェアは、効率、ダイナミクス、走行安定性の最適な組み合わせを目指している。
ビークルダイナミクスマネージャーは、選択された走行モードに応じて、パワートレインだけでなく、ブレーキ、ステアリング、シャシーシステムも制御する。ランニングギアやステアリングは、MEBプラットフォームをベースに改良され、快適性とスポーティさをもたらす、と自負する。これにより、ID.7 GTXはID.シリーズのフラッグシップモデルとしての地位を確立するという。
なお、ベース車両のID.7には、新開発のEVパワートレインを搭載する。このEVパワートレインは、「APP550」と呼ばれ、後輪駆動車に適合する。ID.7のモーターは、最大出力286psを発生する。このモーターは、ID.シリーズの中で最もパワフルという。また、1回の充電での航続は、最大700km(WLTPサイクル)に到達する見通しだ。