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トヨタ製のスズキSUV『グランドビターラ』新型…インドから輸出開始

  • 《photo by Suzuki》
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スズキのインド子会社のマルチスズキは1月19日、新型SUV『グランドビターラ』(Suzuki Grand Vitara)の輸出を開始した、と発表した。

新型グランドビターラを積んだ船は、インドのカマラハル港から南米に向けて出航した。マルチスズキは南米をはじめ、アフリカ、中東、ASEAN、その近隣地域の世界60か国以上に、新型グランドビターラを輸出することを計画している。

マルチスズキは、輸出ラインナップの拡大に取り組んでいる。新型グランドビターラが、マルチスズキにとって、17車種目の輸出車両になる。2022年、マルチスズキは過去最高の26万台以上の車両をインドから輸出した。新型グランドビターラの輸出を開始することにより、マルチスズキはインドの乗用車輸出業者としての地位を、さらに強化することを目指している。

◆スズキとトヨタの業務提携に基づく協業のひとつとして誕生
新型グランドビターラは、スズキとトヨタの業務提携に基づく協業のひとつとして誕生した。グローバルでの車両のOEM相互供給のもとで、スズキが開発し、トヨタ・キルロスカ・モーターで2022年8月から生産を開始した。

スズキとトヨタは2019年3月、新たな協業について、具体的な検討に着手することで合意した。これは2017年2月の業務提携に向けた覚書を締結して以降、両社が検討を続けてきた成果となる。新たな協業の具体的内容としては、スズキがインドで生産する小型車を、トヨタにOEM供給することが含まれていた。

この提携に基づいて、トヨタは2019年6月、インドで新型ハッチバック『グランザ』を発表した。グランザは、スズキ『バレーノ』のOEMだ。さらに2020年9月、トヨタはインドで小型SUVの『アーバンクルーザー』を発売した。同車は、スズキ『ビターラ ブレッツァ』のOEMだ。

スズキが開発した車両を、トヨタのインド工場で生産するのは、新型グランドビターラが初めて。なお、新型グランドビターラには、トヨタ版の兄弟車として、『アーバンクルーザー・ハイライダー』が用意されている。

◆スズキのグローバル市場における最上位SUV
新型グランドビターラは、スズキのグローバル市場におけるSUVのフラッグシップに位置付けられる。スズキはインド市場に新型を投入することにより、SUVのラインアップを拡充し、シェア拡大を図っていく。

エクステリアは、ショルダーラインや前後フェンダーを強調することで、SUVらしい力強さを表現した。フロントに特徴的な3灯式LEDランプ、左右のランプをつなぐクロームバー、多角形グリルを採用して、上質感を追求する。新型のボディサイズは、全長4345mm、全幅1795mm、全高1645mm。インド市場では、ミドルサイズのSUVカテゴリーに属する。

インテリアは、剛性感のあるインパネや太いコンソールを採用することにより、たくましいSUVの雰囲気を演出した。インパネやトリムは、ボルドーとブラックの2トーンカラーにシルバーステッチを施した合皮を採用して、洗練された空間を目指した。また、全方位モニターやヘッドアップディスプレイなどを装備する。インドでマルチスズキが展開するコネクテッドサービス「スズキコネクト」にも対応した。スマートフォンのワイヤレスチャージャーや、後部座席のエアコン吹き出し口などの快適装備も採用している。

◆ハイブリッドはクラス最高の燃費27.97km/リットル
パワートレインには、マイルドハイブリッドをはじめ、フルハイブリッドシステムの「インテリジェントエレクトリックハイブリッド」をインドで初導入した。4WD仕様車には、4つの走行モードをダイヤルで簡単に選択できる「ALL GRIP」をインドで初採用する。トランスミッションは、マイルドハイブリッドが5速MTと6速ATを用意した。ハイブリッドには、電気式無段変速機(e-CVT)を組み合わせている。

マイルドハイブリッドは、「プログレッシブ・スマート・ハイブリッド」と呼ばれる。新世代の1.5リットルガソリン「デュアルジェット」エンジンに、2つのバッテリー、ブレーキエネルギー回生システム、トルクアシスト、アイドリングストップ/スタート機能を組み合わせた。このパワートレインは、最高で21.11km/リットルの燃費を達成する。

ハイブリッドは、1.5リットルエンジンに電気モーターを組み合わせた。ドライブモードは、EV、エコ、パワー、ノーマルを切り替えられる。バッテリーはリチウムイオン。燃費はクラス最高の27.97km/リットル、としている。