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航続10%拡大、プジョー 208のEVが改良…ブリュッセルモーターショー2023出展へ
プジョーは1月10日、コンパクトハッチバック『208』のEV仕様『e-208』(Peugeot e-208)の2023年モデルを1月13日、ベルギーで開幕するブリュッセルモーターショー2023に出展すると発表した。2023年に欧州市場で発売される予定だ。
◆1回の充電での航続は「GT」グレードが最大398km
2023年モデルのe-208のEVパワートレインは、新型『308』のEV、『e-308』のノウハウを生かしてアップデートされた。モーターが最大出力136hpから156hpへプラス20hp、率にして15%強化された。最大トルクは26.5kgmと変わっていない。
バッテリーの蓄電容量は、50kWhから51kWhに容量を増やした。1回の充電での航続は、ブラックホイールアーチが特長の「GT」グレードの場合、最大で398kmに到達する。従来型の最大360kmに対してプラス38km、率にして10.5%航続を延ばしている。
バッテリーの充電に関しては、2種類の車載充電器が用意されている。単相の出力7.4kWの充電器が標準。オプションで、三相の出力11kW充電器が利用できる。出力100kWの急速チャージャーを使用すれば、バッテリーの80%の容量をおよそ25分で充電できる。
◆転がり抵抗を低減したタイヤを装備
2023年モデルでは、転がり抵抗を低減したタイヤ「A +」クラスを装備した。この低転がり抵抗タイヤを、16インチのアルミホイールに組み合わせる。フロントのウインドスクリーンの上部に装着された湿度センサーに、新設計のヒートポンプを組み合わせた。これにより、暖房などの空調のエネルギー効率を最適化している。
このセンサーが送信する情報を利用して、室内の空気の循環を、より正確に制御することが可能に。これにより、暖房時のバッテリーのエネルギー使用量を抑えることができる。この改良は気温が低い時、とくに効果を発揮するという。
水冷式のヒートポンプによって、充放電時のバッテリー温度の管理と最適化を図った。バッテリーは、1個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせた。総重量約350kgのバッテリーユニットを前席座面下、後席座面下、センターコンソールなどにH型に、重量配分を考慮して搭載している。
◆3種類のドライブモードが切り替え可能
指先だけで操作できるトグルスイッチを採用した。よりストレスフリーな操作性や、センターコンソールにおける収納スペースの改善を図っている。トグルスイッチは、上から「P」、「R」、「N」、「D」、「B」の各ボタンで構成される。電動パーキングブレーキも採用した。これにより、スペースの節約と日常走行における快適さ、安心感を高めているという。
センターコンソールのボタンによって、3種類のドライブモードの「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」が切り替えられる。このうち、スポーツではパフォーマンスが重視される。各ボタンを選択すると、インジケーターライトが点灯して、ドライバーに選択したボタンを通知する。ドライバーは、インストルメントクラスターのモードのリマインダーで確認することもできる。Dボタン時にアクセルペダルから足を離すと、エンジンブレーキ、アクセルオフの挙動をシミュレートした自然な減速となる。減速のレベルは、内燃エンジンのAT車の感覚に近いという。一方、Bボタンでは、エネルギー回生を強化。アクセルペダルだけでより積極的に減速をコントロールできるという。
Bボタンを押すと、減速のレベルが大きくなる。アクセルペダルを離すと強めの減速となり、減速エネルギーの回収量も大きくなる。Bモードはボタンを押した後、エンジンを停止しない限り、作動状態を保つ。ドライバーの設定もメモリーによって維持される、としている。