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VWのソフト部門が初出展、『ID.Buzz』を技術見本市に展示する狙い

  • 《photo by VW》
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フォルクスワーゲングループ傘下の自動車用ソフトウェア会社「CARIAD」は1月5日、米国ラスベガスで開幕したCES 2023に初出展し、フォルクスワーゲンの新世代EVミニバン『ID.Buzz』を展示した。

◆CARIADのソフトウェアを搭載したID.Buzz
CARIADでは現在、世界中で約4500人のエンジニアと開発者が働き、フォルクスワーゲングループの全ブランド向けに、統一されたスケーラブルなアーキテクチャ、オペレーティングシステム、自動車クラウドなど、均一なソフトウェアプラットフォームの構築に取り組んでいる。さらに、CARIADはデジタル自動車機能の開発にも推進している。たとえば、先進運転支援システム(ADAS)、標準化されたインフォテインメントプラットフォーム、連結するパワートレイン、シャシー、充電テクノロジーのためのソフトウェア機能、新しいエコシステム、車両内外でのデジタルビジネスモデルなどだ。

CARIADがCES 2023にブースを設けたのは、米国での事業展開を図るのが狙い。すでにCARIADの米国部門は、マイクロソフトとの緊密なパートナーシップにより、「フォルクスワーゲン・オートモーティブ・クラウド」を開発。すべてのフォルクスワーゲングループ傘下のブランド車向けに、統合バックエンドを構築した。これは、ソフトウェアの継続的な無線更新において、重要なバックボーンとなっている。

CARIADはCES 2023のブースに、CARIADのソフトウェアを搭載したフォルクスワーゲンID.Buzzをはじめ、各種ソフトウェアソリューションを出展した。さらに、CARIADの専門家は、ソフトウェア定義型車両、基盤となるテクノロジープラットフォーム、自動運転技術の開発、デジタル車内体験、エンターテイメント、ゲームに関する将来のビジネスモデルなどに関する情報も発信している。

◆2024年に発売予定の北米仕様はロングホイールベースのみ
ID. Buzzの欧州仕様車は導入当初、全長4712mm、全幅1985mm、全高1937mm、ホイールベース2988mmの標準ボディのみになる。室内は2列シートで、乗車定員は5名だ。ドイツ・ハノーバー工場で生産される。

一方、2023年に北米向けに発表されるロングホイールベース仕様車は、延長されたボディを生かして、3列シートを装備する。前席が2名、2列目が3名、3列目が2名の合計7名乗りを可能にする。なお、北米市場向けのID.Buzzは、ロングホイールベース仕様車の乗用モデルのみになり、2024年に発売される予定だ。このロングホイールベース仕様車の生産拠点は、北米(米国やメキシコなど)を計画している。

バッテリーは、サンドイッチ構造のフロア下に配置されており、重心を低くし、前後重量配分にも配慮した。このレイアウトのおかげで、ID.Buzz の最小回転半径は、5.55mに抑えられる。また、ID.Buzzの全幅は1985mmで、T6よりも81mmワイドだ。全高は1937mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くした。

◆「プラグ&チャージ」と双方向充電を導入予定
ID.Buzzは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台の「MEB」がベースだ。モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。1回の充電での航続は、欧州仕様の場合、最大で423km(WLTPサイクル)に到達する。

リチウムイオンバッテリーは、出力11kWの交流(AC)を使用して、自宅のウォールボックスや充電ステーションで充電できる。DC(直流)急速充電ステーションでは、「CCS」プラグコネクタを介して、最大出力170kWで充電できる。この場合、バッテリーの最大80%の容量を、約30分で充電できる。

ID.Buzzには、「プラグ&チャージ」と双方向充電を導入する予定だ。双方向充電を利用すれば、ID.Buzzのバッテリーから家庭の電力ネットワークに給電する「V2H」が可能になる。また、プラグ&チャージを利用すれば、充電コネクタを通じて、DC急速充電ステーションで認証を行い、必要なデータをやり取りできるという。