注目の自動車ニュース
【シトロエン C5 X】いまお待ちのお客様が一巡した後が勝負…ブランドマネージャー [インタビュー]
ビッグシトロエンが復活した。この『C5 X』の日本におけるターゲットユーザー層や、そういった人たちへ向けてのアピールする内容はどういったものか。ブランドマネージャーに話を聞いた。
◆2つのターゲット
—:C5が2015年に生産中止して以来、暫くフラッグシップが途絶えていましたが、今回C5 Xとして復活しました。まずはどういう人に買ってもらいたいとお考えですか。
ステランティスジャパンシトロエンブランドマネジャーの中山領さん(以下敬称略):まずは旧来のビッグシトロエンに乗っていた方、そして乗っている方々です。
次に具体的な職業名でいいますと、例えば小さいデザイン会社とか制作会社など、クリエイティブ系中小企業のオーナーみたいなイメージの方々です。こだわりや表現を非常に重視している方々ですので、他のクルマとは違うユニークさを持っているC5 Xだからこそ、そういう方々にぜひ乗ってみていただきたいと思っています。
—:では、そういった方々が魅力に感じるポイントはどういったところでしょう。
中山:今回、デザインというテーマで日本では発表会を行いました。その理由ですが、このC5 Xのデザインはディテールにまでこだわり抜いて作り組みが為されていますので、その思いはそういう方々に十分伝わる、共感してもらえる部分だろうと考えています。
—:ではこれまでビッグシトロエンに乗っていた、あるいは乗っている方々がC5 Xに乗りたくなる魅力はどういうところですか。
中山:シトロエン伝統のシルエットがひとつあります。ロングノーズで後ろがファストバック。それこそロベール・オプロンの時代から継承されてきたそのフォルムがあります。そして、ハイドロニューマチックの乗り味を再現したPHC(プログレッシブ・ハイドロ―リック・クッション)も搭載されています。このように過去の流麗なシトロエンを彷彿とさせる部分があるのです。個人的には『C4カクタス』がひとつの分水嶺だと思っているのですが、そこから生まれたポップな感じのシトロエンから、オーセンティックな感じ、昔ながらのシロエンの雰囲気、立ち位置みたいなところに戻ってきていて、その代表的なクルマだと感じています。ですので、その佇まいそのものが昔のオーナーさんには、そのまま受け入れていただけるのではないでしょうか。
—:つまり過去のキーワードとなるべき物は全て踏襲しながらも、新世代のシトロエンとした誕生したという解釈ですね。
中山:昔からシトロエンはコンフォートという考えのもとにクルマ作りをやっています。機能性をきちんと担保した上で、いかに心地よいクルマを作るか。そのテーマは普遍なんですよね。確かに昔ほど機能一辺倒ではなく、デザイン的な部分も入ってはきていますが、理念的な部分、根底の部分では脈々と受け継がれてるところもあると思いますので、そこに共感していただけるといいなという思いです。
◆シトロエン全体の10%を目標に
—:来年ぐらいから1年を通して導入されてくると思うのですが、具体的にはどのくらいの販売量を見込んでいますか。
中山:シトロエン全体で10%くらいでしょうか。初速は結構良いと思うんです。ただその初速の部分は長らくお待たせしていたお客様たちですので、そこが一巡した後にどうやってその成長を続けていくか。そこはじっくりと考えなければいけないところです。
そこで考えなければいけないのは、実際にどういう人たちに買っていただいているか。そこがキーとなりますので、それを参考にしつつ、C5 Xの持っているカラー(個性)をどう訴求していくか、その都度考えていかなければいけないでしょう。
—:また、今回PHEVも導入されます。その割合はどのくらいを見込んでいますか。
中山:生産の観点で行くと非常に少なくなると思います。ただし、『C4』のBEVが20%を占めていることもありますので、それプラスアルファくらいはという感じでしょうか。実はまだ地方のお客様の感度があまり読めていないんです。地方だと普通にガソリンの方が安心だからみたいなこともあるかもしれないと思っていますが実際どうなのか……。
—:C5 Xのアピールをお願いします。
中山:もう存在そのものですよね。いろんなクルマと比較して選ぶというクルマではないでしょう。もう独自のクルマですから、これを好きか嫌いかどっちか。これを好きになってもられるとすればお勧めです。
デザイン的にもこれを美しいと思ってもらえる人に乗ってもらいたいですね。例えば『ベルランゴ』などは、機能性もあって、燃費も良くて、色々ものを積載できるなどその特徴を並べることは出来ます。それはあくまで競合がいるからであって、C5 Xは正直、競合がいるクルマではないと思っています。これだけユニークなクルマを好きになってくれる人にぜひ乗っていただきたい。そういう人は冒頭でお話した方々だろうと想定しているのです。