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シトロエン『C4 X』にEV、航続は360km…今秋欧州発売へ
シトロエンは6月29日、新型車『C4 X』 (Citroen C4 X)のEV版『E-C4 X』を欧州で発表した。今秋、欧州市場で発売される予定だ。
C4 Xは、ハッチバックの『C4』と最上位SUVの『C5 X』の間に位置するモデルで、従来のハッチバックとSUVの代替モデルになることを狙う。新しいクロスデザインは、ファストバックとSUVの長所を融合しながら、全長4600mmの4ドアボディに広々とした空間を実現することを目指している。
◆バッテリー容量の80%を30分で充電可能
欧州市場では、EV版のE-C4 Xが主力モデルになる。モーターは最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出す。スポーツモード時には、0~100km/h加速9.5秒、最高速150km/hの性能を発揮する。
バッテリーは400Vのリチウムイオンで、蓄電容量は50 kWh。1回の充電で、最大360km(WLTPサイクル)の航続を可能にした。出力100kWのDC急速充電に対応しており、1分あたり10kmの航続に必要なバッテリー容量を充電できる。バッテリー容量の80%を、30分で充電することが可能だ。
回生ブレーキにより、ドライバーはブレーキペダルを踏まずに減速し、エネルギーを回収することで、バッテリーを充電して、航続を伸ばすことができる。エコ、ノーマル、スポーツの3種類の走行モードが選択でき、センターコンソールのモードセレクターで切り替える。
◆デジタルインストルメントパネルにはEV専用の表示
充電時間は、車載タッチスクリーンの「My Citroen Drive Plus」や、スマートフォンにダウンロードした「My Citroen」アプリから設定できる。充電ポートのインジケーターによって、ユーザーは充電プロセスを監視できる。これは、My Citroernアプリでも、同様に確認することができる。
デジタルインストルメントパネルにはEV専用の表示があり、バッテリーの残量や航続を表示できる。また、パワーインジケーター(パワーメーター)、エネルギーフローなど、3種類の表示スタイルから選択できる。車内の暖房やエアコンが、エネルギー消費に与える影響を確認することも可能にしている。
センターコンソールや10インチのHDタッチスクリーンインターフェースのボタンから、アクセスできる専用ページには、システムの作動状態やバッテリー充電の設定が表示される。車両が充電中の場合、画面にはフル充電までの残り時間、回復した航続、回復したバッテリー充電率を表示できる。
◆「魔法の絨毯」のような乗り心地を追求したサスペンション
油圧式のハイドロサスペンションで知られるシトロエン。E-C4 Xには、「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」を採用した。開発にあたっては、20件の特許が出願された。シトロエンによると、滑らかかつ快適な「魔法の絨毯」のような乗り心地を追求しているという。
プログレッシブ・ハイドローリック・クッションは、通常のダンパーにセカンダリーダンパーが追加された構造の純メカニカルなシステム。ダンパーシリンダー内に第2のダンパーシリンダーが配されており、サイドには複数のポートが設けられている。セカンダリーシリンダーには、その内径にあったセカンダリーピストンが存在し、ストロークが進むとセカンダリーピストンがシリンダーに入り込み、ハイドロリックストップとして作用するポジション・センシティブダンパーだ。
これにより、サスペンションが小さく細かく動く状況や、サスペンションのストロークスピードが低い状況では、減衰力が小さくソフトな乗り心地を可能にする。サスペンションが大きく動く状況では、セカンダリーピストンとシリンダーが生み出す減衰力で衝撃を吸収する、としている。