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フェラーリ『296 GTS』日本初公開、830馬力のハイブリッドオープン2シーター
フェラーリ・ジャパンは24日、鈴鹿サーキットでフェラーリ『296 GTS』を日本初公開した。V6エンジンとモーターの組み合わせで最大出力830馬力を誇るプラグインハイブリッドの2シーターオープンモデルだ。
296 GTSの名前の由来は総排気量の2992ccの「29」とV6気筒の「6」、グラン・ツーリスモ・スパイダーの頭文字「GTS」を組み合わせたネーミングだ。
◆コンパクト・低重心なV6エンジンでアジリティに優れる
フェラーリには現在、V8エンジンを搭載したモデルもあるが、こちらはV6エンジンを採用。軽量・コンパクトな特徴を活かし、ホイールベースを同ブランドの現行車両で最も短い2.6mとしている。低重心という特徴とこの短いホイールベースが相まって、優れたパフォーマンスとアジリティを発揮。フェラーリらしい、官能的ユニークなエンジンサウンドも楽しめる。
リアに収めたモーター(137馬力)と合わせ、830馬力を発生。なお、電力のみを使用する「eDrive」モードの航続距離は25kmとなっている。
◆ダウンフォースを重視したエアロダイナミクス
バーチャルウインドスクリーンやリアアクティブスポイラーなど、エアロダイナミクスを考慮したさまざまなパーツが備えられた296 GTS。その方向性は、ダウンフォースを増し、アジリティを増すことを最優先にしている。
発表を行ったフェデリコ・パストレッリ社長は、「296 GTSのリアアクティブスポイラーは、ダウンフォースを100kgf増やす役割を持っている。スピードや加速度を増すための、ラ・フェラーリのものとは、異なるものだ」と説明した。
0-100km /h加速は2.9秒と俊敏。強いダウンフォースとABSなどによる、高い制動力も魅力。走る楽しみや喜びを感じられる刺激的なモデルだという。
◆スムーズでスポーティーなボディライン
リトラクタブル・ハードトップ(RHT)を格納すれば、流線型なスポーティーな印象。ルーフを閉じると、296 GTBによく似たシルエットとなる。
RHTは時速45kmまでなら走行中でも14秒で開閉可能。格納時は2つに分割されて、エンジンの前方に平らに折り畳まれるので、エンジンベイの放熱特性は変化せず、デザインの全体的なバランスも保たれる。
そのため、エンジンカバーの後方に窓を設けることも可能となり、そこから新型V6エンジンをはっきりと見ることもできるのだ。
ルーフ格納時は、高さ調節が可能なガラスのリアスクリーンがキャビンとリアデッキを隔てることで、高速走行中でも快適性を保つ設計となっている。
◆ハイパフォーマンスのパッケージ「アセット フィオラノ」を設定
マシンのパワーとパフォーマンスをサーキットなどで最大限に活用したい人のために、軽量パーツや空力モディファイを含む「アセット フィオラノ」パッケージを設定。ベースモデルと比較し、8kg軽量化する。
チタン製のサスペンションやカーボンファイバー製のパーツを選択することで、さらなる減量を図ることもできる。