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アストンマーティン ヴァンテージ「F1エディション」、ヒルクライム出走へ
アストンマーティンは『ヴァンテージF1エディション』(Aston Martin Vantage F1 Edition)が、英国で6月23日(日本時間同日17時)に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のヒルクライムに出走すると発表した。
◆4.0リットルV8ツインターボは535psに強化
同車は『ヴァンテージ』をベースに、アストンマーティンが60年以上の歳月を経て、F1に復帰したことを記念したモデルだ。クーペとロードスターが用意されている。ヴァンテージF1エディションは、ヴァンテージのラインナップの頂点に位置するモデルだ。F1公式セーフティカーのヴァンテージに採用されたエンジニアリングが、直接フィードバックされており、サーキットに焦点を合わせてスポーティにアップグレードを施した最速バージョン、と自負する。
ヴァンテージF1エディションは、ヴァンテージ史上最もパワフルだ。4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力を25psプラスして、535psとした。最大トルクは69.8kgmで変わらないが、ピークトルクの持続範囲が拡大し、扱いやすさと粘り強さが改善されているという。
このパフォーマンスは、8速ATと組み合わせることにより強化され、シフトアップ時のトルク損失を最適化。シフト時間も短縮され、ダイレクト感と正確性が向上している。このトルク特性は、激しいブレーキングを伴うシフトダウンにおいて、車両のコントロール性とドライバーとの一体感を高め、トラクションの限界時、より精密なコントロールを可能にする。この特性は、とくにサーキットを走行する場合にメリットをもたらすという。
◆F1公式セーフティカーのノウハウを生かした足回り
専用のシャシーを採用し、エアロダイナミクスも見直されている。F1公式セーフティカーのレプリカモデルとして、公道走行可能な史上最もスポーティなヴァンテージを目指したという。エンジニアリングチームは、ヴァンテージのあらゆる側面に改良のメスを入れた。その範囲は、パワートレイン、シャシー、エアロダイナミクスなど。走行フィールやキャラクターを改善しながら、パフォーマンスの徹底的な強化が図られている。
シャシーの面では、サスペンションとステアリングに焦点を当て、アンダーボディに細かい修正を加えることによって、フロントの構造剛性を高め、ステアリングフィールとレスポンスを追求した。ダンパーの内部にも改良を施し、ダンパーの有効範囲を拡大する。作動領域が増加したことにより、低速における追従性を低下させることなく、高速走行時におけるコンプレッションや突き上げ感の両方で、垂直方向のボディコントロールが改善されているという。
ダンパーの変更を補完するために、リアのスプリングレートと横方向の剛性を強化したことによって、鋭いターンインが可能になり、トラクションが高まっている。さらに、フロントエンドの反応速度を補完するために、リアエンドにも調整が施された。ステアリング入力に対するレスポンスと、ステアリングフィールを改善したことにより、路面からのフィードバックがより明確に伝達されるようになり、グリップの詳細な状況をドライバーが感じることができるという。
◆専用エアロキットでダウンフォースを向上
専用のエアロキットは、フロントとリアのダウンフォースを強化するように設計されている。最高速の領域では、合計で200kg多いダウンフォースを発生させる。エアロダイナミクスの変更には、車両全幅にわたるフロントリップスポイラー、フロントダイブプレーン、アンダーボディのターニングベーン、新しいリアウィングが含まれている。ベーングリル、2×2ツイルカーボンファイバー製パーツ、専用グラフィック、4本出しエキゾーストも標準装備される。
ボディカラーには、F1公式セーフティカーのカラーと同様の「アストンマーティン・レーシング・グリーン」が用意された。標準装備されるホイールは、21インチに拡大。ヴァンテージ初の21インチタイヤは、ピレリと協力して特別に開発したものだ。新デザインのサテンブラックダイヤモンド旋削仕上げによる21インチアルミホイールを組み合わせる。
インテリアには、新しいオブシディアンブラックレザーとファントムグレーのアルカンターラ張りのトリムが設定された。ライムグリーン、オブシディアンブラック、ウルフグレー、スパイシーレッドのコントラストストライプとステッチを選択することもできる、としている。