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【フィアット 500e】EVになってもチンクはチンク。ついに日本上陸のモデルをチェック[詳細写真]
フィアット初の本格的な電気自動車、『500e』が、6月25日より日本でも販売開始となる。歴代の『500』から受け継がれたアイコニックなデザインはもちろん、EVでは唯一となるカブリオレが設定されるなど、イタリアンブランド・フィアットならではのEVになっている。
500eはエントリーモデルの「POP」、装備が充実した上級モデルの「ICON」、そして唯一無二のカブリオレである「OPEN」という3種類のグレードを用意する。パワートレインは全車共通で、最高出力118ps、最大トルク220N・mを発揮するモーターを搭載。最大航続可能距離は335km(WLTC)となる。充電は単相交流200V用の普通充電と、付属のCHAdeMOアダプターを介した急速充電に対応した。
イメージ踏襲も、新規設計のエクステリア
エクステリアは従来の500のイメージを踏襲しているが、新規に設計されたものだ。ヘッドライトは500のロゴデザインをモチーフにしているが、上部がボンネットに埋め込まれている。チンクエチェントのテイストを守りつつ、新しい印象を与えることに成功している。
ボディサイズは全長3630mm、全幅1685mm、全高1530mmと、エンジン車から僅かに拡大したが変わらず5ナンバーに収まるコンパクトなサイズだ。狭い道の多い日本の道路事情にもマッチした、扱いやすいサイズ感であると言えるだろう。
ボディカラーは画像のミネラルグレーをはじめ、全5色をラインナップする。
遊び心あるインテリアは歴代モデルをリスペクト
インテリアでは、「POP」がスタイリッシュなグレーを基調としたファブリックシート、「ICON」と「OPEN」がFIATのモノグラムが施されたエコレザーシートを装備する。どちらもリサイクル素材から作られており、サステナブルに配慮したものになっている。
ステアリングホイールは従来の3本スポークから2本スポークへと変更された。これはルパン3世の愛車として有名な『Nuova 500』のものをモチーフにしたものだ。しかし、スポークにスイッチ類が集中的に配置されている他、メーター部分にはTFT液晶を採用した7インチのマルチファンクションディスプレイが装着されており、現代的な雰囲気を醸し出している。
随所に遊び心のあるワンポイントが仕込まれていることも特徴だ。ダッシュボードにあるスマートフォントレイに描かれる図柄は、500eが生産されるトリノの街並みを表したもの。ドアハンドルの底面には、「MADE IN TORINO」の文字と共に、可愛らしいNuova500が隠れている。
ビジュアル以外もフィアットのこだわりが
フィアットのこだわりは視覚的なものにとどまらない。EVに必要な車両接近通知装置(AVAS)のサウンドは、映画『ゴッドファーザー』などの音楽を手がけたイタリア人作曲家ニーノ・ロータによるメロディを乗せたオリジナル仕様。起動時などにもユニークなサウンドが用意され、ユーザーを耳からも楽しませてくれる。
パワーユニットが変わっても、フィアット500はフィアット500であると教えてくれる500e。価格は450万円から495万円だが、政府の補助金事業の対象車となる。また、販売はリース形式のみとなり、個人型リースと任意保険が付いたサブスク型リースを選択できる。