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ランボルギーニ『ウラカン・テクニカ』はV10自然吸気、アジア太平洋地域初公開
アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパンは、4月12日に発表されたばかりのランボルギーニ『ウラカンテクニカ』を、4月22日に東京都内で公開した。アジア太平洋地域において初の公開となる。価格は約3000万円だという。
◆3つのソウルを完璧にバランス
「私たちは常にお客様に喜んでいただくことを重視しており、お客様のニーズに応えられる完璧なクルマづくりを目指している」と話し始めるのは同社Head of Japanのダビデ・スフレコラ氏だ。ランボルギーニを購入するユーザーは大きく3つの要素(ランボルギーニ流にはソウル)を求めており、そのひとつは、「ファントゥドライブ、走りの楽しみ。そして、限界までプッシュしたいというパフォーマンス。最後は、クルマはお客様の自己表現、ライフスタイルの表現の手段」であるという。今回発表したテクニカは「この3つの要素を完璧にバランスさせている」とコメント。
まずファントゥドライブ、走りの楽しみについてスフレコラ氏は、「これまでランボルギーニが培ってきた経験をフルに生かしている」とし、例えば、STOでの経験を生かしたエモーショナルな走りとしては、ダイナミックスシステムを専用にチューニングしたLDVI制御(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)を搭載したほか、専用開発したタイヤや、ダイレクトなステアリングレシオとトルクベクタリグを備えたリアホイールステアリングなどで操作性も大幅に向上。
また、「走りの楽しみといえエモーション。エモーションといえばエンジンだ」とスフレコラ氏。テクニカはV型10気筒自然吸気エンジンを搭載。「2022年は内燃機関を称える年という位置付けで、内燃機関のみを搭載したモデルの発表は今年が最後。その一環が、このテクニカだ」と述べる。このエンジンもSTOと同様の技術を採用し、「ダイレクトなスロットルスポンスを実現。高回転でも非常にキレの良いエンジン音を実現することができた」と話す。
◆エアロダイナミクスとブレーキ冷却性能を大幅に向上
パフォーマンスのポイントはエアロダイナミクスの大幅な向上だ。「新しいリフレクターを備えたアンダーボディを採用したほか、セントラルブロウンディフューザー(排気ガスの力を利用しディフィーザーの効果を高めることでフロアの空気を加速。その結果、フロアの圧力を下げることでダウンフォースを増加させる)を採用。さらに最適化されたエンジンエアインレットを備えたリアフェンダーとリアウィングを装備した」。その結果、『ウラカンEVO RWD』と比較し、ダウンフォース約35%向上し、ドラッグは20%低減。
またブレーキに関してもスフレコラ氏は、「エアフローを改善させたことによりブレーキの冷却を大幅に改善」。フロア下の空気がシート下あたりを流れることで、ブレーキ液の温度が約9%、ブレーキディスクの温度は約7%低減。更にブレーキペダルの操作時間(制動時間)が5%低減したことにより、ブレーキパッドの消費を約13%改善した」とその効果を説明。
同時にフロントとリアのボンネットをカーボン製に変更することで軽量化も実現した。
◆ランボルギーニのDNAを受け継いだデザイン
スフレコラ氏は、「ライフスタイルといえばやはり美しさ。今回もランボルギーニのDNAを受け継いだ美しいデザインに仕上がっており、一目でランボルギーニとわかるアイコン的なデザイン」だとその印象を語る。特に、「ランボルギーニのヘリテージを受け継ぎ、モータースポーツの影響を強く受けたデザインで、STOやスーパートロフェオEVO2から強く影響を受けている」と述べる。
さらに、「フロントのY字型のインレットはランボルギーニ『シアン』から受け継いだもの。サイドは、ランボルギーニ史上最もパワフルな『エッセンツァSCV12』のシルエットを受け継いでいる」とした。因みに全高と全幅はウラカンEVOと共通ながら、全長は6.1cm長くなっている。
リアデザインは新型のエグゾーストを採用。ランボルギーニのDNAを受け継いだ、六角形のデザインとなっている。
◆オーディエンスに乗ってもらいたい
さて、このウラカンテクニカのターゲットはどういう人たちだろう。スフレコラ氏は、「オーディエンス!」と即答。「クルマを楽しくドライブされる方だけでなく、日常的に使い、サーキットにも行くという人たちに向けて、ウラカンテクニカはオールマイティにバランスの取れたクルマとして仕上がっている」とSTOのように“超”高次元でバランスを取るのではなく、サーキットなどでの走りは犠牲にせずにより乗りやすく、日常でも使いやすさを意識したクルマであり、だからこそオーディエンス、多くのファン(現在まだランボルギーニユーザーではない方も含めて)の方々に乗ってもらいたいというのだ。
最後に気になることを聞いてみた。それは、このクルマが内燃機関のみの最後のモデルになるのか、だ。スフレコラ氏は、「もしかしたら最後にモデルかなるかもしれないし、ちょっとまだわからない」とコメントし、今後の可能性を示唆した。