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アウディ、次世代EVミニバン提案…ストレス検知機能や瞑想アプリ搭載
アウディ(Audi)は4月19日、コンセプトカー『アーバンスフィア』を初公開し、移動時の乗員の快適性を高める新開発のテクノロジーを採用すると発表した。
◆自動運転モードではメーターやディスプレイが非表示に
デジタルオプションを装備することにより、車内でリラックスして過ごすことができるウェルネスゾーンとしても機能する。ストレス検知機能が、その代表的な例になる。このプログラムは、顔の表情読み取る「フェイス・スキャン」と音声分析を利用して、乗員の気分を判断する。そして、たとえば、個人用のスクリーンとヘッドレストに組み込まれたプライベートサウンドによる瞑想アプリを使用して、乗員に個別のリラクゼーション機能を提供する。
アーバンスフィアは、完全自動運転での移動も提案している。自動運転モードでは、円形のメーターパネルをはじめ、バーチャルディスプレイのブラックスクリーンも表示されない。
また乗員は、高品質の素材で構成された居心地の良い空間に包まれる。パネル、シートカバー、フロアカーペットには、高品質な感触と手触りの良さを備えたウッドやウール、合成ファブリックが採用されている。ソフトなベージュとグレーの色調が、水平基調のインテリアを構成している。シートシェルのカラーには、控えめなダークグリーンが採用されて、落ち着いた雰囲気を演出している。インテリアのカラーゾーンは上から下に向かって明るくなり、室内空間に注ぎ込む自然光とともに、均質で幅の広いインテリアを創出しているという。
◆状況に応じて表示サイズが変わるディスプレイ
ワンタッチで車両を起動させると、インテリアのディスプレイは、フロントウィンドウ下のウッドパネルに表示される。ステアリングホイールを使用する手動モードか、レベル4の自動運転かを問わず、運転状況に応じて、これらのディスプレイは、インテリア全幅いっぱいに表示される場合と、運転席および助手席間で分割表示される場合がある。走行中に必要なすべての情報は、高解像度で表示される。
また、投影面の下には、センサーバーが一体化されており、音楽再生やナビゲーションなど、異なるコンテンツを素早く切り替えられるようにしている。ここには、車内でアクティブになっているすべての機能とアプリケーションが表示され、メニューごとにアイコンが点滅する。
ドア開放部の近くには、コントロールシステムの「MMIタッチレスレスポンス」がレイアウトされた。ドライバーや乗員が、背もたれを立てた状態でシートに座っている場合、MMIタッチレスレスポンスを操作して、回転するリングとボタンを介してさまざまなメニューを選択してクリックすることにより、各種機能をシンプルで直感的な方法で操作することができるという。
◆左右のドアアームレストにはVRメガネを収納
その一方で、背もたれを後方にリクライニングさせている場合、このシートポジションでは、乗員はアイトラッキングやジェスチャーコントロール機能を組み合わせて使用できる。眼に向けられたセンサーは、乗員の視線を検知して、コントロールユニットを作動させる。この場合、乗員は身体を起こすことなく、ジェスチャーだけで、手で触れずにシステムを操作することができる。
アイトラッキング、ジェスチャー、ボイスコントロール、タッチ機能など、すべての操作モードで乗員に適応し、乗員の好みや頻繁に使用する機能を学習する。その後、学習した内容に基づいて、基本的な機能を効果的に補うだけでなく、各ユーザーに個別の提案を行う。
コントロールパネルは、ドアのアームレストにも組み込まれており、光学インジケーターにより、タッチ操作できる。同時に、左右のドアアームレストにはVRメガネが収納されており、ホロライド(holoride)システムとなどのインフォテインメントデバイスと組み合わせて使用することができる。
◆アームレストなどに竹製のビスコース生地
アーバンスフィアのインテリアでは、シデを用いたウッドパネルをはじめ、持続可能な素材を使用している。このウッドは、生産拠点の近くで育った木材を使用することが可能で、幹全体を利用することができる。その加工プロセスでは、化学薬品を使用していないという。
シートパッドには、リサイクルポリアミドの「ECONYL(エコニール)」を使う。この素材は、車両が廃棄された後に、品質を損なうことなくリサイクルすることもできる。各種の素材を組み合わせて使用すると、その後のリサイクルの可能性が損なわれるため、それぞれの素材を単独で使用することは、リサイクルするために重要という。
アームレストと車両の後部には、竹製のビスコース生地を使用している。竹は通常の木材よりも速く成長し、大量のCO2を吸収し、成長するのに除草剤や農薬を必要としない利点がある、としている。