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GMとホンダがEVを共同開発—コンパクトSUV? 2027年以降に市場投入
ゼネラルモーターズ(GM)とホンダは日本時間4月5日、電気自動車(EV)シリーズの共同開発を発表した。2027年以降、北米から投入予定だ。GMの次世代アルティウム(Ultium)バッテリーを搭載したグローバルアーキテクチャーをベースとする。
GMとホンダは、技術力や設計力、ソーシング戦略を活用し、両社で設備を共通化することで、世界トップクラスの品質と高い生産性、価格受容性の実現をめざす。世界規模での生産を検討し、2027年以降、数百万台規模での生産を意図している。GMとホンダは、2018年にEV向けバッテリー開発での協業を発表し、2020年には2車種のEVの共同開発を発表しており、両社は今後その関係を発展させる。
GMとホンダは2027年以降、量販価格帯の新たなEVシリーズを、北米市場を皮切りに投入予定だ。車種(車形)は明示していないが、発表資料では「新シリーズのマーケットには、現在グローバルで最大の自動車セグメントであるコンパクトSUVを含む」と説明されている。コンパクトSUV市場は年間1300万台を超える規模だ。
GMのグローバル商品開発・購買・サプライチェーン担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ダグ・パークスによると、「この協業を通してGMがリリースする新型EVは、まもなく発表するシボレー『エクイノックスEV』よりも低い価格帯になる。2025年末までに、複数の生産拠点で合計200万台の生産能力を構築する」という。エクイノックスEVは2024年型として2023年秋に発売予定で、スターティングプライスは3万ドル(約370万円)前後と予告されており、新型EVはその下になるわけだ。
さらにGMとホンダは、電動化コストの低減、EVの性能やサステナビリティの向上のために、EV向けバッテリー技術における協業の深化についても検討する。
GMは、リチウム金属電池やシリコン電池、全固体電池などの新技術や、それらの早期導入を可能にする生産方法などの研究開発を加速している。いっぽうホンダも、今後のEVのコア要素になると考える独自の全固体電池技術の研究開発を進展させており、すでに生産技術の検証などを行なっているほか、量産化に取り組んでいる。
GMは2035年までに大型トラックを除く車両のテールパイプエミッションをなくし、2040年までに企業活動を含めカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。GM会長兼CEOのメアリー・バーラは、「ホンダとの協業はそのコミットメントに向けての重要なステップだ。両社が協業することで、それぞれが単独で取り組むよりもスピーディに、世界中の顧客にEVに乗ってもらえるようになる」とコメント。
ホンダは2018年に、EV向けバッテリー開発でGMとの協業を発表しており、2021年には、GMと共同開発しホンダ最初の量産EVとなるSUVの『プロローグ』を、2024年初に発売すると明らかにしている。2024年中にはアキュラからもEVのSUVを発表予定だ。
本田技研工業の三部敏宏取締役代表執行役社長は「これらの共同開発の成果は、GMとの関係が顧客のために新たな価値を創造することを可能にする、“win-win”な関係であることを証明している。コンパクトクラスの開発・生産におけるホンダの強みを活かした新たなEVシリーズは、両社の関係をさらに強固なものにする」と述べている。