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フィアットの市販EV第2弾はミニバン、コンセプトは「4輪のリビングルーム」…『Eウリッセ』
フィアットは3月2日、EVミニバンの『Eウリッセ』(Fiat E-Ulysse)を欧州で発表した。『500e』に続くフィアットブランドの市販EV第2弾となる。
◆1回の充電での航続は最大330km
1994年、フィアットと当時のプジョー・シトロエンは、ミニバンを共同開発し、フィアットは初代『ウリッセ』として発売した。現行ウリッセは3世代目モデルで2021年10月、欧州で発表された。
この新型ウリッセをベースにしたEVが、Eウリッセだ。モーターは最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出し、最高速130km/hの性能を発揮する。バッテリーは蓄電容量が50kWhと 75kWhの2種類で、75kWhの場合、1回の充電で330km(WLTPサイクル)の航続を可能にしている。
Eウリッセには、出力100kWの急速充電システムを標準装備した。45分でバッテリー容量の80%を充電できる。自宅や充電ステーションで充電する場合は、出力11kWの三相モード3ケーブルや純正オプション「Mopar」のウォールボックスが選択できる。
◆ビジネスミーティングが開催できるインテリア
3列シートのインテリアは、最大8名が乗車できる。インテリアは、「4輪のリビングルーム」がコンセプトだ。パノラマガラスサンルーフは、「ラウンジ」バージョンに標準装備した。室内を明るくし、乗員に開放感をもたらす。大型ガラスは、40cm×1mの2枚のパネルで構成されており、総面積はおよそ1平方m。プライバシーが必要な場合や遮光する必要がある場合には、スライド式のカーテンを操作する。
ラウンジバージョンは、2列目シートがキャプテン仕様になる。この2列目シートを回転させれば、ビジネスミーティングが開催できる。大型のシートには、角度調整式のアームレストが付く。格納式のテーブルは、2列目と3列目シートの間にスライドさせることもできる。
さまざまな収納スペースが設置された。7人乗りの「リビングルーム」バージョンと8人乗りの「シャトル」バージョンともに、後席はすべてレールに取り付けられているため、移動やリクライニング、取り外しが簡単に行えるという。
◆標準ボディとロングボディの2種類
ボディサイズは、セグメントで最小、と自負する。全高は1900mm。全長は標準ボディが4950mm、ロングボディが5300mmとなる。4輪独立サスペンションと可変剛性スプリングによって、すべての走行条件で路面をホールドし、快適性を発揮するという。
室内空間は、乗員と荷物の積載量に応じて、カスタマイズできる。8人乗りシャトルのバージョンでは最大12種類、7人乗りのリビングルームバージョンでは最大16種類のシートアレンジを可能にしている。
最大積載量は、標準ボディが4200リットル、ロングボディが4900リットル。3列シートが通常の位置の場合、トランク容量は標準ボディが900リットル、ロングボディが1500リットルとなり、セグメントをリードするという。標準ボディの最大荷室長は、3100mm。ロングボディでは、3500mmに拡大する。
インフォテインメントに関しては、3種類のビルトインラジオが利用できる。最上位バージョンには、Apple「Car Play」、グーグル「Android Auto」、TomTomの「Connect Nav」サービスを備えた7インチのカラータッチスクリーンが装備される。交通状況をはじめ、駐車場、ガソリンスタンド、地域の天気、名所などの情報が含まれている。