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BMW X5 に130mm長いLWB、後席の快適性向上…中国で設定
BMWグループ(BMW Group)は3月1日、SUVの『X5』に初のロングホイールベース仕様を、中国専用車として設定すると発表した。
◆リアドアは通常のX5よりも長い専用設計
X5初のロングホイールベース仕様は、中国の顧客のニーズに対応するモデル。中国では、役人や富裕層の間で、ロングホイールベースのセダンが人気だ。アウディは『A6』と『A4』、メルセデスベンツは『Eクラス』と『Cクラス』に、中国専用のロングホイールベース車を投入し、好評を得ている。BMWは、『5シリーズ』と『3シリーズ』に、中国専用のロングホイールベース仕様を用意。今回、現地でのSUV志向の高まりを受けて、X5にもロングホイールベース仕様を設定した。
ホイールベースは、通常のX5と比較して130mm延長された。ホイールベースの延長分はすべて、2列目の乗員の快適さと足元のスペースを引き上げるために充当されている。
さらに、リアドアは通常のX5よりも長い専用設計で、後席の乗員の乗降性に配慮した。特別に設計されたコンフォートシートは、通常のX5よりも後席のリクライニング角度を4度増やした。パノラマガラスサンルーフやアンビエントライトなど、中国の顧客のニーズに合わせたアイテムを標準装備している。
◆エグゼクティブセグメントのXモデルの中国現地生産は初
BMWグループは従来、X5の生産を、米国サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場でのみ行ってきた。X5のロングホイールベース仕様車の生産に関しては、BMWグループと中国華晨汽車との合弁会社、BMWブリリアンスで行う。BMWブリリアンスは2003年に設立された。現在、中国に2工場を持ち、3シリーズ、5シリーズ、『1シリーズ』、『X3』などを現地生産している。BMWグループはBMWブリリアンスへの出資比率を75%に引き上げ、合弁契約も2040年まで延長している。
現地生産は、2022年4月、BMWブリリアンスの瀋陽工場で開始される予定だ。エグゼクティブセグメントのBMWのXモデルが中国で現地生産されるのは、X5が初めてという。
◆ガソリンターボエンジン搭載の2グレードを用意
「xDrive30Li」と「xDrive40Li」の2グレードがラインナップされる。現地では2022年4月に発売される予定。広々とした後席と専用の装備が売りとなる。
BMWグループのドイツ・ミュンヘン本社のエンジニアのチームと、米国スパルタンバーグと中国瀋陽のスタッフが、X5のロングホイールベース仕様車の開発で緊密に協力した。その結果、2つのバリエーションは、ブランドの特徴的なドライビングプレジャーとBMW Xモデルの多様性を、2列目シートの広いスペースとそれに見合った高レベルの快適性とともに実現した、と自負する。
Mエアロダイナミクスパッケージを用意した。また、メッキ仕上げのコントロールスイッチ、穴あき金属カバー付きのスピーカー、誘導充電付きの新設計のスマートフォントレイを採用した。キャビンには、モダンでプレミアムな雰囲気を演出している。
電子制御ダンパーを標準装備した。オプションでxDrive40Liには、自動セルフレベリング機能を備えたエアサスペンションを用意した。特別に調整されたシャシーテクノロジーによって、スポーティさと快適さのバランスを追求している。
両グレードともに、BMWの「ツインパワーターボ」テクノロジーを搭載する。xDrive30Liには直列4気筒ガソリンターボエンジン、xDrive40Liには直列6気筒ガソリンターボエンジンを積む。トランスミッションは、8速「ステップトロニック」。4WDの「xDrive」システムを組み合わせている。