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シトロエン初の燃料電池車、最初の顧客の評価は?…1か月使用

  • 《photo by Citroen》
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シトロエンは2月16日、ブランド初の量産燃料電池車の『eジャンピー・ハイドロジェン』(Citroen e Jumpy Hydrogen)の最初の1台を納車した顧客から、実際に1か月使用してのフィードバックを得た、と発表した。

◆水素補充にかかる時間は最短で3分
eジャンピー・ハイドロジェンの量産第一号車は、フランスに本拠を置く環境関連企業のスエズ・グループに引き渡された。同社は2022年1月から、eジャンピー・ハイドロジェンを日常業務に使用している。使用開始から1か月が経過して、さまざまなフィードバックをシトロエンにもたらした。

フランス・カルカソンヌのスエズ・グループの施設では、責任者が日常の業務に、eジャンピー・ハイドロジェンを使用している。現場を訪問したり、大小の機器を補充したり、水漏れが発生した場合に緊急修理作業を行ったりと、業務は幅広い。そのため、充分な航続を備えた車両を24時間365日、スタンバイしておく必要がある。また、走行するのは都市とその近郊で、約100kmのショートトリップが中心だ。車両の積載量は通常フル積載の半分以上で、積載量が200kgを超えることも度々あるという。

eジャンピー・ハイドロジェンを1か月使用したスエズ・グループによると、400kmの航続は幅広い使用条件を満たすという。水素補充に関しては、水素を補充するのにかかる時間が、350バールの水素ステーションの場合、タンクの半分の容量なら3分、700バールの水素ステーションの場合、水素満タンにかかる時間が3分と実用性を確保した。蓄電容量10.5kWhのバッテリーは、水素タンクが空になった場合、50kmの航続延長を可能にする。バッテリーの充電は、標準の220Vソケットで、夜間に1週間あたり3~5回充電したという。

◆ベース車両のジャンピーはトヨタ向けにもOEM供給
eジャンピー・ハイドロジェンのベース車両は、シトロエンの主力商用車のひとつ、『ジャンピー』のEV、『eジャンピー』だ。シトロエンジャンピーは、兄弟車のプジョー『エキスパート』とともに、ステランティスのフランス北部のセベルノール工場で生産されている。

また、シトロエンジャンピーは、2013年の半ばから、トヨタ向けに『プロエース』として、OEM供給されている。プロエースは前後にトヨタのエンブレムが装着されるほか、フロントバンパーやグリル、ヘッドライトのデザインも、シトロエンジャンピーとは異なる。プロエースには、EVバージョンの『プロエース・エレクトリック』も設定されている。

eジャンピー・ハイドロジェンには、内燃エンジン搭載のジャンピーやEVのeジャンピーと同じく、標準ボディとロングボディの2種類が用意される。

全長は標準ボディが4959mm、ロングボディが5306mm。ホイールベースは、どちらも3275mmとした。荷室の容量は標準ボディが5.3立法m 、ロングボディが6.1立法m。最大積載量は、標準ボディが1100kg、ロングボディが1000kgを確保している。さらに、架装ベース車として、「シャシーキャブ」と「ダブルキャブシャシー」も用意されている。

◆0-100km/h加速は15秒
eジャンピー・ハイドロジェンには、ベース車両のeジャンピーと同様の電動パワートレインを搭載する。モーターは最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出し、最高速130km/h(リミッター作動)となる。

eジャンピー・ハイドロジェンの燃料電池システムの出力は45kWだ。カーボンファイバー製水素タンク3個は、フロントシート下のバッテリーの横にレイアウトされた。動力性能は0~100km/h加速が15秒となる。

減速時のエネルギーを蓄えるバッテリーは、水素燃料電池システムによって発電した電気で自動的に充電される。また、充電ステーションでケーブルを利用して、バッテリーを充電することもできる、としている。