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「技術のニッサン」復活か!? これがe-POWER 4WDの底力

  • 《写真撮影 日産自動車》
  • 《写真撮影 中野英幸》
  • 《写真撮影 中野英幸》
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  • 《写真撮影 日産自動車》
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  • 《写真撮影 中野英幸》
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早くから電動化を推進してきた日産は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みと同時に、従来の内燃エンジン車よりも優れた動力性能を手にしたと言っても過言ではないだろう。

1/10,000秒単位でトルク制御を行う"e-POWER 4WD"
今、日産が強く押し出している「e-POWER 4WD」は、電動モーターの利点を活かして内燃機関では難しいとされていた高精度の4輪制御を行い、卓越したハンドリングと路面を問わない安心感、そして乗員すべてに快適な乗り心地を提供することも目的に開発したという。

特に現行型「ノート e-POWER 4WD」は、旧モデルでは機械式4WDとほぼ同等レベルの制御だったのに対し、雪上はもちろん、氷結路や深雪のほか、追い越しや登坂、さらにコーナリング性能まで大幅に向上させることに成功、実に1/10,000秒単位でトルク制御を行うというから進化の幅は著しい。

路面コンディションが悪くても素早く反応するのは電動車ならでは
日産は、その優れた走行性を体験させようと、長野県の女神湖にてプレス向けの試乗会を実施したのだが、あいにく当日は外気温こそマイナス5度前後と低かったものの、連日晴天に恵まれているせいか、ほぼ溶解状態。とはいえ、それでも僅かながら日産が自慢するe-POWERの効果を垣間見ることが出来た。中でもオーラに関しては4WDと2WDを比較できたから分かりやすかった。

まず発進からして違う。4WDの場合は、これだけツルツルで滑りやすい状況でもパワフルさを思わせるほど“スッ”とスタートし、その後もスムーズに加速を続け、僅かにスリップしてもすぐに制御が入り何事もなかったかのように収めしまう。同じことを2WDで行うと、確かに制御はすぐに介入するものの、さすがに4WDほどではなく、時折“ヒヤッ”とする瞬間が何度かあったからその差は大きい。

さらに減速してからコーナリングといった一連の流れでは、より明確になり、4輪すべてで減速することもあって安定感が高く、旋回時においては前後駆動配分を自在に可変させることも重なるため、狙ったラインを描きやすい・・・ようだ。と、微妙な表現になってしまうのは、これだけ溶解気味だと、所々でしか体験出来なかったからというのが本音だが、それでもここまで素早く反応する優れた制御は電動車ならではと思えたのは本当だ。

旧型比で約40%、新型2WD仕様比でも約15%程度の短縮からわかる4WDのメリット
一方、この後に試した「ノート X FOUR」と「ノート オーテック クロスオーバー FOUR」の比較では、いずれも4WDではあるものの、わずかにタイヤ幅の広い後車のほうが、ドライビングそのものの楽しさを味わえたうえ、コントロール性に優れていることを実感。ちょっとした違いでここまで印象が異なることを知れたのも氷上だからだろう。

ちなみにメニューには組まれていなかったが、日産によればノート e-POWER 4WDの減速性能は、氷結路40km/hからアクセルオフで減速した場合、旧型比で実に約40%短縮され、同じ新型の2WD仕様と比較しても約15%程度短縮されるというから、やはり4WDはメリットが大きいと思う。

とはいうものの、実のところ2WDのオーラや、この後テストした2WDのキックスも決して悪くなかったと最後に加えたい。むしろ、2WDの制御も4WDほどではないとはいえ、高く信頼できるということも今回思い知らされた。最近では主張しなくなったが、やはり“技術のニッサン”は健在なのだろう、いや、電動化を進めたことにより、復活したと言ったほうがいいのかもしれない。