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キャデラック初のEV『リリック』、試験生産を開始…発売記念車は完売
GMのマーク・ロイス社長は1月20日、キャデラックブランド初のEVの『リリック』(Cadillac Lyriq)のプリプロダクションモデルが、米国テネシー州スプリングヒル工場からラインオフした、と発表した。
◆1回の充電での航続は最大483km
リリックには、GMの新世代の電動車向けアーキテクチャ「アルティウム」プラットフォームを採用する。モーターは、最大出力340hp、最大トルク44.9kgmを引き出し、後輪を駆動する。12個のモジュールで構成される蓄電容量100.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電で最大483kmの航続を可能にしている。
出力190kWのDC急速充電に対応しており、およそ10分で、約122kmの走行に必要なバッテリー容量を充電できる。自宅向けには、出力19kWの充電システムが用意され、1時間の充電で約84km走行分のバッテリー容量を充電できる。デュアルレベルの充電コードが付く。
「Regen on Demand」テクノロジーと、ワンペダルドライビングを採用する。Regen on Demandを使用すると、ドライバーは、ステアリングホイールのパドルを操作して、減速から停止まで、速度をコントロールできる。どちらの技術も回生ブレーキを利用して、電動パワートレインの効率を最大化するという。
◆キャデラックの最新のデザイン言語
リリックには、キャデラックの最新デザイン言語を導入する。フロントには、ブラック仕上げのクリスタルグリルを装着した。スリムなLEDヘッドライトは縦に長い垂直デザインで、キャデラックによると自動車業界初という。ボディカラーには、サテンスチールメタリックやステラブラックメタリックが設定される。アルミホイールは20インチのスプリット6スポークが標準。オプションで22インチのダイナミックスプリットスポークが選択できる。ボディサイズは、全長4996mm、全幅1977mm、全高1623mm、ホイールベース3094mmだ。
インテリアはクリーンかつシンプルさが重視され、2Dと3Dのデザイン要素を取り入れている。アルミトリムにウッドを組み合わせ、レーザーエッチングパターンを施した。内装色は、スカイクールグレーとノワールを用意している。
ダッシュボードには、大きく湾曲した33インチの大型LEDスクリーンを採用した。10億色以上の色を再現できる性能を備える。キャデラックの新世代のアクティブノイズキャンセリングシステム、「KeyPass」と呼ばれるデジタルキー、ヘッドレストスピーカー付きの「AKGStudio」の19スピーカーオーディオシステムなどを用意している。
◆発売記念車の「デビューエディション」は予約開始から約10分で完売
2021年9月、米国で予約を開始したリリックの発売記念車の「デビューエディション」が、予約開始から約10分で完売した。キャデラックによると、2020年のコンセプトカーの発表以来、20万人以上がリリックに興味を示しており、デビューエディションに対する反応は、想定を超えていたという。
デビューエディションは、充実した装備が特長だ。パワーシェード付きガラスルーフ、バックライト付きドアパネル、オープンポアダークアッシュウッドトリム、4方向の電動ランバー調整やベンチレーション、マッサージ機能を備えた8ウェイパワーシート、キャデラック専用のAKGStudioの19スピーカーオーディオシステム、新世代アクティブノイズキャンセルシステム、アダプティブクルーズコントロール、自動駐車アシスト、エネルギーアシスト付き「myCadillac」アプリ、キャデラックデジタルキーなどを標準装備している。
なお、キャデラックは、デビューエディションは予約完売したが、2022年夏からキャデラックのディーラーネットワークを通じて、デビューエディション以外のリリックをオーダーできるようになる予定、としている。