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ジープ、電動モデルのみを販売へ…2022年内に欧州主要国で
ジープ(Jeep)は1月20日、欧州主要国におけるラインナップを、2022年末までに電動モデル(プラグインハイブリッド車とハイブリッド車)のみにすると発表した。ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、北欧諸国、ポルトガルが対象になる。
◆欧州のジープの総販売台数の25%以上はPHV
ジープブランドは、電動モデルとして、プラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」を用意している。欧州ではすでに、『レネゲード』のPHVの『レネゲード4xe』と、コンパスのPHVの『コンパス4xe』、『ラングラー』のPHVの『ラングラー4xe』が設定されている。
欧州向けラングラーの2022年モデルは、PHVのラングラー4xeのみとした。これは、持続可能なモビリティに向けたブランドの戦略と、2025年までにジープ車の7割を電動車両にするというブランドの取り組みと一致しているという。
現在、ヨーロッパでのジープブランドの総販売台数の25%以上をPHVが占めている。フランスでは、PHVがジープの総販売台数の50%以上に達している。ジープにとって、欧州最大市場のイタリアでも、PHVの人気が高いという。
◆PHVシステム全体で380hpを発揮するラングラー
ラングラー4xe のPHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボだ。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。
オルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、380hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。0~100km/h加速はおよそ6.4秒で駆け抜ける。
ラングラー4xeは、ラングラーの4ドアをベースにしている。専用のボンネットを採用し、スキッドプレートと前後の牽引フックも装備する。オフロードホイールと大径タイヤを標準装備した。最低地上高は274mmで、最大760mmの渡河性能を持つ。アプローチアングルは44度、ブレークオーバーアングルは22.5度、デパーチャーアングルは35.6度と、ラングラーならではの優れたオフロード性能と、環境性能の両立を狙う。
◆ラングラーのEVモードは最大約50km
バッテリーは、蓄電容量17kWhのニッケルマンガンコバルトだ。EVモードでは、WLTPサイクルで最大約50kmをゼロエミッション走行できる。バッテリーは、2列目シートの下に配置された。このため、2列目シートが専用設計され、クッションを前に倒してバッテリーのメンテナンスを行う。
充電ポートは、左フロントフェンダーに設けられた。充電状態を示すLEDインジケータが備わる。インストルメントパネル上部にLEDバッテリー残量モニターを装備し、充電中の電池残量を確認できるようにした。
ラングラー4xeには、回生ブレーキを搭載する。ドライバーがブレーキペダルを踏むと、パワートレインコントロールが電気モーターから最大0.25gの回生ブレーキを作動させ、車両を減速させる。これにより、ブレーキパッドの寿命が延びるという。
◆レネゲードとコンパスのPHVは1.3リットルエンジン搭載
一方、レネゲード4xe とコンパス4xe のPHVシステムは、1.3リットル直列4気筒ガソリンターボエンジン(最大出力は130hpまたは180hp、最大トルク27.5kgm)にモーター(最大出力60hp、最大トルク25.5kgm)を組み合わせて、システム全体で190hpまたは240hpのパワーを引き出す。
エンジンが前輪、モーターが後輪駆動する「eAWD」システムを搭載する。トランスミッションは新開発の6速ATを組み合わせた。0~100km/h加速は7.5秒、最高速は200km/hの性能を備えている。
バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は11.4kWhだ。EVモードでは、最大でおよそ50kmをゼロエミッション走行できる。EVモードの最高速は130km/hとした。CO2排出量は50g/km以下と、高い環境性能を備えている。ドライブモードは、「ハイブリッド」、「フルエレクトリック」、「Eセーブ」 の3種類が切り替えられる。