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【ダイハツ ハイゼット&アトレー 新型】軽EVは100万円台で…クルマとの向き合い方
ダイハツ工業は12月20日、新型となる『ハイゼット』『アトレー』の報道発表会を開催した。ダイハツ工業株式会社取締役社長奥平総一郎氏が登壇し、ダイハツのクルマとの向き合い方、そしてこれからの目標について語った。
「ダイハツが得意とする軽自動車は。誕生以来、多くのお客様の暮らしとともに歩んできた、サステナブルな日本のライフラインともいえる存在だ。なかでも軽商用車は軽自動車の全保有台数3100万台のうち約4分の1となる800万台となっており、また日本を走る商用車の約60パーセントを占めるなど、世の中に欠かせない存在だ」
「軽商用車の歴史において。重要な役割を果たしてきたハイゼットは、昨年60周年を迎えた。四輪車で累計生産台数は約750万台にのぼり、建設業小売物流など法人から個人に至るまで、幅広いお客様に愛用いただいている。60年の歴史の中で常に時代の変化に合わせて進化し、ニーズに応えてきたが。常に貫いてきた思いがある。ひとつはお客様に寄り添うこと。お客様の使われ方ニーズを現地現物で確かめ、要望に真摯に応えることで、お客様の生活を豊かにしたいという信念があった。もうひとつは良品廉価だ。1グラム、1円、1秒にこだわり、より良い商品をよりお求めやすくすることで、すべてのお客様にクルマをお届けするという姿勢」
「ダイハツのグループスローガンである、Light you upという言葉はすべてのお客様ひとりひとりを照らし、寄り添い続けるという先人たちから受け継いできたDNAを未来に継承するという決意である。そしてこのLight you upに込めた思いと多様性を尊重し、誰ひとり取り残さないというSDGsの考え方、これらの思いは同じだと考えている。グループ一丸となってLight you upの心で、モノづくりやコトづくりを推進し持続可能な社会の実現を目指していく」
また今回発売となるハイゼット、アトレーについては、「DNGA(ダイハツ ニュー グローバル アーキテクチャー)を商用車に展開し、初めてFR用のCVTを採用したことで燃費性能はクラストップレベルへ向上し、CO2排出量低減に寄与している。また予防安全機能スマートアシストも最新バージョンに進化させ、高まる安全・安心へのご要望にお応えした。さらにイーコマースによるラストワンマイル輸送の重要性の高まりを受け。一度にたくさんの荷物を運び、より効率的に使用できる商品を目指し、荷室の広さや使い勝手などを進化させた。アトレーについても、おもにレジャーのニーズに応えるため生まれ変わった」と、社会への対応強化をアピールした。
続けて、新しい取り組みについても触れた。「ものづくりに加え、従来から続けてきた働く方や生活者に寄り添った活動とともに、新しいものを作りだすことにも挑戦している。近年ニーズの高まる移動販売において、軽トラックの荷台に積載可能な荷物の荷箱を貸し出しすることで、お客様の新しいチャレンジをサポートする『Nibakoプロジェクト』をスタートした。地域の活性化の一助となるよう、全国の販売店舗と協力しながら、来年中頃のサービス立ち上げを目指している」。
◆お客様視点を追求し続けることはダイハツの使命
奥平社長は、顧客の抱える課題を解決し地域を活性化させることは、変化していく日本社会においてもダイハツの不変の使命である、と語る。
「今後もお客様視点を追求し続け、現場に入り込むことでこの使命をまっとうしていく。一方100年に一度の大変革期においては、ダイハツだけでは解決できない課題も存在するため、志を同じくする仲間とともに企業の垣根を乗り越えた取り組みを進めていく。7月にはCASE技術の普及に向けた協業プロジェクト『コマーシャルジャパンパートナーシップ』に参画した。大動脈から毛細血管まで一気通貫での物流効率化に取り組んでいる。これからもダイハツはLight you upの考え方のもと、SDGsの実現に向けて、モノ、コト、両輪の取り組みで働く方々や日々の暮らしをサポートし続け、地域や社会を豊かに、日本を元気にしていく」
◆2030年にはすべて電動化にシフトする
軽自動車の電動化について奥平社長は、2030年に国内で販売する新車については、すべて電動化を進めたい、と狙いを述べた。
「まず11月に発表した『ロッキー e-SMARTハイブリッド』でシリーズハイブリッドを採用したが、これを核として速やかに軽自動車に展開していきたい。そしてシリーズハイブリッドの利点を生かしたバッテリーEVを開発し、それをまずはスタディから始め、2025年あたりまでに商品を投入したい」
ダイハツでは顧客の多様なニーズを満たし、コスト低減を努力していきながら、バッテリーEVの比率を拡大してくが、現在はカーボンニュートラルを目指しているわけで、電動化が目的ではない、という。
「我々はできる限り多様な技術の選択肢を広げていきたいと考えており、今現在で言えば軽自動車・軽商用車をお使い頂いているお客様は、カーボンニュートラルに近い選択、暮らしをされている。実際に軽乗用車のCO2排出量は最新の小型のハイブリッド車並みのCO2排出量になっているので、大変いい環境車両に乗っていただいている。とはいえ、これから完全にEV化していくことで、エネルギーの回収なども進めていく必要もあるので我々は全力で取り組んでいきたい。そのために、トヨタからの技術を学びたいし、一緒に開発し、採用していくつもりだ」
◆電動化モデルの価格は100万円台に抑える
さらに奥平社長は、2025年までに発売するEV化された軽自動車の価格について、補助金も含め100万円台に抑えておかなければ、買っていただけないのではないか、と語った。
バッテリーやモーターの供給は、電池の材料が高騰しているため、いかに効率的な電池を投入できるかはポイントであるが、トヨタと協力して共同調達のような形を考えているとのこと。また研究開発の中では新たな電池の方向性はないのかなども考えるが、基本的に量産段階ではトヨタグループとして足並みを揃える。モーターについては、需要数によっても変わる可能性もあるが、軽自動車のモーター特性からすると、かなり低い容量のモーターで済むため、ダイハツで内製化もする方向で検討を進めていくとのこと。またトヨタグループの中でダイハツが貢献できるのは、低価格化や低コスト化の中で適切な仕様スペックを決定するといった部分でもあると語った。