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レクサス初の水素エンジン、最小オフローダーに搭載…ROVコンセプト発表
レクサスは12月2日、『ROVコンセプト』を欧州で発表した。レクサス初の水素エンジン搭載車になる。
◆さらなるアドベンチャーを求める顧客に向けた提案
ROVとは、「レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル」の略だ。「ATV」=All Terrain Vehicle(全地形対応車両)や、横2人乗りなので「サイドバイサイド」、あるいは誤用ながら4輪バギーとも呼ばれる。
日本メーカーでROVを手がけているヤマハによると、ROVは乗車定員が2名以上でステアリングホイールなどの自動車に類似した操縦系をもち、レジャー・スポーツ走行から農作業などの業務に至るまで、幅広く使用されているという。また、ホンダも同様のモデルを、主に北米市場で展開している。
高級車ブランドのレクサスが今回、オフロード専用のコンセプトモデルとして、ROVを提案した。レクサスによると、オンロードやオフロードでの体験を超えて、さらなるアドベンチャーを求める顧客に向けた提案になるという。
◆フロントにはレクサスのスピンドルデザイン
レクサスROVコンセプトは、露出したサスペンション、セーフティケージ、大径オフロードタイヤを装備し、オフロード車らしいルックスとした。ボディサイズは、全長3120mm、全幅1725mm、全高1800mmだ。3120mmの全長は、現行のレクサスラインナップで最小となる。
レデザインチームは、レクサスの人間中心の哲学を出発点として、ROVのタフな性能を損なうことなく、高級車メーカーに相応しい車を目指した。乗員を保護しながら、フロントにはレクサスのスピンドルデザインを組み込み、フロントサスペンションに充分なストロークを確保できるボディを設計した。さらに、フロントフェンダーは岩や泥から車体を保護するデザインとした。
リアの水素燃料タンクに接続されたサスペンションカバーは、機能部品を保護するとともに、レクサスのSUVから受け継いだ耐久性を表現しているという。ボディカラーはダークブロンズで塗装。軽量のボディとサスペンションを採用する。レクサスの「L」-がモチーフのヘッドライトとテールライト、リアのLEXUSエンブレムは、最新のレクサスのデザイン言語を反映している。
◆1.0リットルの水素エンジンはレッドゾーンが1万0500rpmから
インテリアには、「タズナ」のコンセプトを導入した。ドライバーが運転に集中している間、ドライバーが必要とする情報を読み取れるシンプルなメーターを配置している。
コンセプトカーは、内外装に従来のROVで見られなかった職人技による品質を追求している。革巻きのステアリングホイールとシフトノブや、彫刻的デザインのシートを採用した。バンプをスムーズに通過するサスペンションも装備する。シートは丈夫な合成皮革を使用。厳しいオフロード走行でも、自動車メーカーの静粛性、耐久性、信頼性などの要件を満たしているという。
ROVコンセプトでは、内燃エンジンのエキサイティングなサウンドを伴いながら、水素を高速燃焼させて、トルクフルな走行を可能にしている。1.0リットルの水素エンジンは、ガソリンエンジンと同じように作動する。レッドゾーンは1万0500rpmからと、高回転志向のエンジンだ。圧縮水素用の高圧タンクを備えており、インジェクターによって水素を供給する。水素エンジンはゼロエミッションに近く、運転中に燃焼するエンジンオイルの量はごくわずかという。
頑丈なパイプフレームとサスペンションで構成された軽量ボディを搭載する。独特の「レクサスドライビングシグネチャー」を可能にする、と自負する。水素エンジンの機敏な設計と応答性により、優れたオフロード性能を備えた運転して楽しい車両に仕上がっているという。